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呼吸過多が招く悪影響①ぜんそく&睡眠障害

皆さんこんにちは。猫背改善パーソナルトレーニング『STUDIO BE FREE』トレーナーの吉田です。

前回の記事では「深呼吸のしすぎは体に悪い!?」と題して、呼吸における二酸化炭素の重要性と過剰な呼吸量=「呼吸過多」についてご紹介してきました。

詳細につきましては、ぜひ前回の記事もご参照ください。

前回、前々回の記事の中でご紹介した「コントロール・ポーズ」を行っていただければ分かるかと思いますが、じつはほとんどの方が「呼吸過多」に当てはまるかと思います。

今回は呼吸過多が招く体の悪影響についてご紹介していきます。

目次

呼吸過多が及ぼす悪影響①ぜんそく

喘息は呼吸をする時の空気の通り道である「気道」がアレルギーなどの炎症によって狭くなり、「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴(呼吸時に鳴る音)、激しい咳、呼吸が苦しくなるといった症状が出る病気です。

喘息の患者さんの気道は炎症により過敏になっているため、僅かな刺激でも発作が起こりやすくなっています。喘息の原因は

①ダニやホコリ、花粉などの吸い込むとアレルギー反応を引き起こす「アレルゲン」となる物質によるよるもの

②タバコの煙、風邪などの感染症、気候の変化、大気汚染、過労やストレス、激しい運動などの「非アレルゲン」の要因によるもの

があります。

大人のぜんそくが増えている

上記にぜんそくの主な原因をご紹介しました。詳しいメカニズムについては専門の医療関係の方の著書やサイトなどをご参照いただければと思いますが、じつは今、大人のぜんそくが増えていると言われています。

ぜんそくには幼少期に起こる小児ぜんそくがあります。小児ぜんそくはアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎を患っているお子さんがなりやすい傾向があり、前述したホコリやダニなどによるアレルギーで起こるケースが多いと言われています。

一方、子供の頃は起きなかったのに、大人になってからぜんそくの症状が出始める「大人のぜんそく」もあります。じつはこの大人になってからのぜんそくの発症が増加傾向にあると言われています。

ストレスとぜんそくの関係

大人のぜんそくの7~8割は子供の頃は症状はなく、大人になって初めて発症したというケースだそうです。小児ぜんそくと比べ、原因の特定が難しい場合も多いと言われていますが、よく指摘されているのは「ストレスとぜんそくの関係」です。

ストレスとぜんそくの関係については明確なメカニズムは解明されていませんが、可能性として考えられるのがストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」というホルモンが分泌されること。

コルチゾールが大量に分泌されると、「サイトカイン」という炎症を引き起こす物質の放出を促すと言われています。

このサイトカインが気道に炎症を起こし、ぜんそくの発症、悪化に繋がっていると考えられます。

慢性的な呼吸過多ではストレス状態から体が抜け出せなくなる

呼吸の役割は「脳と体に酸素を供給すること」なのですが、前回の記事でご紹介したように、慢性的な呼吸過多になると酸素を体の組織に供給しにくくなってしまいます。

すると「脳」に供給される酸素の量も少なくなるため、脳は疲弊してしまいます。

その結果、脳は体をうまく制御できなくなり、筋肉の繊細な緊張をコントロールしたり、物理的な負荷、また精神的なストレスに対応することができなくなってしまいます。

そうなると心身は緊張を緩めることができなくなり、体がこわばりやすくなったり、周囲の光や音などの刺激に対しても過敏に反応する、などストレス状態からなかなか抜け出せなくなってしまうのです。

呼吸過多がぜんそくの原因の1つ

もちろん、ストレス以外にも様々な要因がぜんそくを招くことも考えられます。

しかし、前回の記事でもご紹介したようにぜんそく患者の呼吸量は健康な人の3倍~4倍とも言われています。

またロシアのぜんそく治療の権威だったコンスタンティン・ビュティコ博士も「深く呼吸をすること」自体が気管支ぜんそくの原因である」と述べています。

深く呼吸をする=呼吸の量が多いということですので、やはり呼吸過多はぜんそくの原因の1つと言えるでしょう。

呼吸過多が及ぼす悪影響②睡眠障害

呼吸過多が及ぼす悪影響の2つ目は「睡眠障害」です。睡眠障害にはいくつか種類がありますが、よく知られている障害には

・不眠症:「夜寝つきが悪い」「眠りを維持できず、夜中に何度も目を覚ます」などの症状。日本人の5人に1人はこの症状に該当するとも言われている。

・過眠症:夜眠っているにも関わらず、日中に強い眠気が生じて、起きているのが困難になる症状。

・概日リズム睡眠障害:昼夜のサイクルと体内時計のリズムが合わず、活動に支障をきたす睡眠障害。

・睡眠時呼吸障害:睡眠中に異常な呼吸を示す病態の総称。

があります。

睡眠障害と自律神経

睡眠障害の原因には①「心理的なストレス」、②「外傷やリウマチなどの痛み、湿疹や蕁麻疹などの痒み、ぜんそくや頻尿などの身体的な原因」、③「不安、抑うつなどの精神医学的原因」④「服用している薬やアルコール、カフェイン、ニコチンなどによる薬理学的原因」⑤「自律神経や体内時計の乱れなどの生理学的原因」があります。

このうち①、③、④は呼吸過多が多く関わっている可能性もありますが、ここでは「呼吸と自律神経の関係」に着目して見ていきましょう。

自律神経とは「身体の様々な働きを調整する神経」のことで、「交感神経」と「副交感神経」の2つから成り立ちます。

活動モードの「交感神経」と休息モードの「副交感神経」

交感神経は「体を活動モードに促す」働きを担い、昼間に活性化します。

具体的には「心拍数や血圧の上昇、瞳孔の拡大、汗の分泌、筋肉の緊張、呼吸数の増加」を促します。

一方、副交感神経は「体を休息モードに促す」働きを担い、夜間に活性化します。

具体的には「心拍数や血圧の低下、筋肉の弛緩、呼吸数の低下」の他、胃腸の動きを促します。

この2つの神経がバランスよく作用することで、身体の機能は正常に働きます。ところが、このバランスが崩れて、交感神経が常に優位な状態になると睡眠が阻害されてしまうのです。

呼吸過多だと「交感神経が優位」になる

自律神経が正常に機能していれば、就寝時には体は「休息モード」、つまり、副交感神経神経が優位に働くように切り替わります。

ところがこのバランスが崩れ、「交感神経が優位」な状態が続いてしまうと、体が活動モードのままになり、うまく睡眠に入れなくなったり、眠りが浅くなってしまうのです。

自律神経は呼吸とも深い関わりがあります。この辺りの詳細はまた別の機会に詳しくお話しをしますが、呼吸が多い=呼吸過多が慢性的になると「交感神経が優位」な状態になります。

睡眠中の呼吸が荒いと体が「興奮&緊張状態」から抜け出せなくなる

ジョギング中の呼吸をイメージしていただけると分かるかと思いますが、運動中は安静時よりも多くの酸素を必要とするため、呼吸は「ハァ、ハァ」と弾むような「多く吸って吐く」努力呼吸と呼ばれる呼吸になります。

運動後のように一時的な努力呼吸であれば問題はないのですが、安静時でも呼吸量が多い状態が「呼吸過多」です。

つまり、「呼吸過多」とは神経学的に見れば「体が常に運動中のように興奮&緊張した状態」であり、「交感神経が優位になる」状態と言えるわけですね。

このため、就寝時にも呼吸過多が続いていると、自律神経は「交感神経優位から副交感神経優位な状態に切り替えることができなくなり、正常な睡眠が得られなくなるのです。

慢性的な呼吸過多=交感神経過剰な状態=ストレスから抜け出せない状態

ぜんしくと睡眠障害の原因で共通して「ストレス」を挙げましたが、「心身がストレスを感じている状態」では交感神経が優位になっています。

慢性的な呼吸過多は交感神経を過剰にしますので、「呼吸過多が交感神経を優位な状態をつくり、身体がストレス状態から抜け出せなくなってしまう」とも言えるわけですね。

「呼吸過多からストレスを感じやすくなる」のか「ストレスを感じるから呼吸過多になる」のか・・・?

「卵が先か、鶏が先か」みたいな感じですが、いずれにせよ「呼吸過多の改善」が鍵になりそうですよね。



まとめ

今回は「呼吸過多が招く悪影響」として、ぜんそくと睡眠障害についてご紹介してきました。

もちろん、呼吸過多以外にも様々な原因がありますので、これらの症状にお悩みの方は、まずは医療機関で診察を受けていただくことをオススメします。

その一方で前回の記事でもご紹介しましたが、何らかの疾患を抱えている人の多くは「呼吸過多」の傾向があることも、事実です。

なので、「医療機関での適切な治療」と「呼吸機能を改善するトレーニング」を平行して行っていただくことが理想的かと思います(もちろん医師の運動許可が前提でのお話です)。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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