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呼吸

動いていますか?横隔膜

皆さんこんにちは。猫背改善パーソナルトレーニング『STUDIO BE FREE』トレーナーの吉田です。

前回の記事では「呼吸過多改善エクササイズ」と題してお送りしてきました。詳しくはぜひ、前回の記事をご参照ください。

呼吸についてお話しをしてきていますが、前回までは「呼吸のしすぎ=呼吸過多」が身体に及ぼす悪影響などを中心にお話しをしてきました。

今回からはまた、視点を変えて「誤った呼吸」についてのお話しをご紹介していきたいと思います。

ズバリ「横隔膜」です。横隔膜という言葉はおそらくお聞きになったことがある方は多いかと思います。横隔膜は「呼吸筋」と呼ばれ、呼吸の主役となる筋肉です。

今回は横隔膜について詳しく見ていきましょう。

目次

横隔膜とは?

横隔膜は肋骨下部と腰椎(背骨の腰部分)、みぞおち辺りの高さに付着している筋肉です。

焼肉で言う「ハラミ」に相当する部分です。

イラストのようにドーム状の形をしており、右側の方が高くなっています。これは右側に肝臓が存在するためです。

この横隔膜の左右差は身体全体の姿勢の左右差にも大きな影響を及ぼしますが、これはまた別の機会にお話ししていきます。

横隔膜は肋骨の内側にあるので、自分で触れることはできません。そのため、なかなか意識しづらい筋肉かと思います。

先ほど述べたように横隔膜は「呼吸筋」と呼ばれ、安静呼吸の70%~80%は横隔膜の働きによると言われています。生命活動に欠かせない呼吸に大きく関わるという意味では、横隔膜は体の中でも最も重要な筋肉の1つと言えるかも知れませんね。

呼吸時の横隔膜の動き

ここからは具体的に呼吸時の横隔膜の動きについて見ていきましょう。

呼吸時には肺が拡張して空気を取り込むわけですが、実は肺は自分自身で膨らむことができません。なぜなら、肺には自身を広げるための筋肉がないからです。

ではどうやって肺に空気を取り込んでいるかというと、肺を収容している胸部の「胸腔(きょうくう)」と呼ばれる空間(肋骨、胸骨、胸椎で構成)が拡張すると共に肺も拡張し、空気が入る仕組みになっています。

この時、横隔膜のドームの天井部分はイラストのように下降して胸腔のスペースを広げ、肺が拡張する空間を提供しています。

そして息を吐く時は下降した横隔膜のドームは上昇し、それに合わせて肺が収縮し、空気が排出されます。

このように横隔膜の上下運動によって肺への空気の出入りが行われているということです。

横隔膜が正常に動くと肋骨は横に拡がり、お腹は前後左右に膨らむ

呼吸時に横隔膜が正常に動いているかどうか?の目安として注目していただきたいのが、「肋骨の動き」と「お腹の動き」です。

まずは1つめの「肋骨の動き」ですが、横隔膜が正常に動いている場合「肋骨は横方向に拡がる」ように動きます。

続いて2つめの「お腹の動き」は、「前後左右に均等に膨らむ」ように動きます。

息を吸ったときに、この2つの動きが見られれば「呼吸時に正常に横隔膜が動いている」と判断していただいてけっこうです。

なぜ呼吸時に横隔膜が動くと、腹部が膨らむのか?

なぜ呼吸時に横隔膜が動くとお腹が膨らむかというと、横隔膜は「骨盤底筋(こつばんていきん)」と連動して動くからです。骨盤底筋は骨盤の下側にハンモックのように付いている筋肉で、「下から内臓を支える」働きがあります。

お腹の内側の空間のことを「腹腔(ふくくう)」といいます。この腹腔の上側に天井のように位置するのが横隔膜、下側に床のように位置するのが骨盤底筋です。

息を吸うと横隔膜は下降します。すると腹腔内の内臓は横隔膜に押し下げられるようになりますが、骨盤底筋は下側から内臓を押し返すように働きます。

その結果、腹腔は横隔膜と骨盤底筋とで上下から押されるような形になり、前後左右に拡張するというわけです。

横隔膜が動かなくなるとどうなるか?

では横隔膜が動かなくなるとどうなるでしょう?

呼吸時に横隔膜が下降しないと、胸腔内のスペースが狭いままになってしまいますから、肺も拡張せず、空気が取り込めません。

そのため、肺を拡張するために首、肩の筋肉である「胸鎖乳突筋」や「斜角筋」、「僧帽筋」、背中の「広背筋」を使って肋骨全体を大きく開き、上と横方向に無理やり胸腔を拡張するように呼吸をするようになります。(動画参照)

息を吸った時に「肋骨の前側が大きく開き、反り返る」ようになってしまいます。

このように肋骨がぐわっと開くような呼吸を「リブフレア呼吸」といいます。

首こり、肩こりの原因は「リブフレア呼吸」!?

このリブフレア呼吸が日常的に行われるようになるどうなるでしょう?

人は1日平均23000回も呼吸すると言われています。フィットネスジムに通ったり、スポーツなど運動習慣がある人だともう少し多いかもしれません。

正常な安静呼吸であれば、横隔膜が呼吸のメインとして使われますから、首や肩の筋肉にはあまり負担はかかりません。

しかし、もし1日23000回、首や肩の筋肉を強く使う「リブフレア呼吸」だったら・・・?

例えるなら1日中ずーっと「首、肩の筋肉を酷使している」のと変わりません。そりゃ、首こり、肩こりになりますよね!

首こり、肩こりの原因がリブフレア呼吸にあるとすると、ストレッチやマッサージで治すことは難しいと考えられます。

一時的に楽にはなっても、呼吸を続けている限りは首、肩に過剰な負担がかかり、すぐにまた「こり」がぶり返してしまうからです。

リブフレア呼吸が「腰痛」を引き起こす!?

また、リブフレア呼吸は首こり、肩こりだけではなく「腰痛」の原因にもなります。

肋骨は胸椎(背骨の胸の部分)とつながり、「肋椎関節(ろくついかんせつ)」をなしています。

そのため、呼吸時に肋骨の前側が開く「リブフレア」になると、背骨は大きく反り返るようになります。(動画参照)

このような状態が慢性的になると、腰の筋肉が過度に緊張して血行不良を起こします。その結果、痛みが生じるようになっていくのです。

マッサージ師さんに「腰の筋肉がガチガチに固まっていますね」と言われたご経験がある方は、リブフレア呼吸になっている可能性もあります。

そしてその場合、やはりストレッチやマッサージだけで腰痛を治すことは難しく、「呼吸の改善」も併せて行っていく必要があります。

横隔膜が正常に働いているかをチェックしよう!

ここまで横隔膜が正常に働いていない呼吸=リブフレア呼吸についてお話ししてきました。

ここからは「呼吸時に横隔膜が動いているかどうか」のチェック方法についてご紹介していきます。

横隔膜の機能チェックには仰向けになって行う「横隔膜テスト」がオススメです。

①仰向けになり、両足裏は床につけたまま、膝を立てる。
②横からウエストを掴むように、お腹の左右両側に手を当てる。(親指が後ろ側に触れる位置で)
③そのままゆっくり3呼吸ほど行い、息を吸った時に自分のお腹がどう動いているかを観察する。

横隔膜テストの判定基準

①腹部が前後左右に均等に膨らむ場合:横隔膜やコアユニットが正常に機能し、安静呼吸が正しく行えている可能性が高い

②腹部が横に向けて動かない、或いは少ししか膨らまない場合:横隔膜が十分に動かず、呼吸が乱れている可能性が高い

③肋骨前面が開き、腹部が凹む場合:横隔膜が動かず、呼吸が乱れている可能性が高い(リブフレア呼吸)。また、体全体の緊張が高く、自律神経が乱れている可能性も高い。

④腹部が後方、横に膨らまず、前方にだけ大きく膨らむ場合:腹筋が弱くなっている可能性が高い。

まとめ

今回は呼吸における横隔膜の働きと、横隔膜が正常に働いていない人に多く見られる「リブフレア呼吸」についてご紹介してきました。

横隔膜の機能低下は肩こりや腰痛の原因となる他、前回の記事まで述べてきた「呼吸過多」にも繋がっていきます。

実際、肩こりや腰痛にお悩みの方、また「睡眠不良」や「慢性疲労」を訴えるお客様の呼吸を観察すると、横隔膜がうまく動いていていないケースが多く見られます。

呼吸は生きていくのに欠かせない運動ですから、その主役である「横隔膜」がうまく働かなくなってしまうと、色々な悪影響がありそうですよね。

次回は横隔膜が動かなくなる原因について見ていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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