BLOG

肩こり、腰痛改善

仙腸関節障害とは?

皆さんこんにちは。姿勢改善トレーニングジム『STUDIO BE FREE』トレーナーの吉田です。

前回の記事は「腰椎椎間板ヘルニアとは」と題してお送りしてきました。詳しくはぜひ、前回の記事をご参照ください。

今回は「仙腸関節障害」と呼ばれる腰痛の症状についてご紹介していきたいと思います。

「仙腸関節」はあまり聞きなれない名称かと思いますが、腰痛はもちろん、運動にも大きく影響する重要な関節です。

前回の記事でご紹介した「椎間板」と同様、仙腸関節も年齢と共に痛みが出やすくなる部分でもありますので、気をつけていきたいとところです。

目次

仙腸関節とは

仙腸関節は背骨の下部にある「仙骨」という骨と骨盤の左右の「腸骨」という骨が組み合わさってできている関節で、上半身の重量を支えるために、いくつもの丈夫な靭帯によって補強され、仙骨と腸骨の接触部分は軟骨で覆われています。

仙腸関節は運動時に体幹の重量を下肢に伝達し、地面から下肢に受けた力を体幹に伝えるなど、「体幹と脚それぞれの力の接続ポイント」としての役割を担っています。

そのため、歩く、走る、跳ぶなどの基本的な動作はもちろん、スクワットなどのトレーニングにおいても重要な関節であると言えます。

ただ、これだけ重要な関節でありながら、仙腸関節自体の動きは非常に小さく、以前は「動かない関節だ」と言われていました。現在では

・並進運動で0.5mm~2mm

・回転運動で0.2~4度(平均2度)

程度のごくごく小さな可動性があると言われています。

仙腸関節はセンサーが豊富

私たちの体の関節の周囲には「固有受容器(こゆうじゅようき)と呼ばれる動きを感知するセンサー」と「侵害受容器(しんがいじゅようき)と呼ばれる痛みなどの刺激を感知するセンサー」が存在していています。

仙腸関節の周囲には29個のセンサーが存在しますが、このうち28個が侵害受容器、固有受容器は1個だけという研究報告があります。これは仙腸関節という関節が「詳細にどんな動きをしているか」を感知するよりも、「痛みを生じるような刺激が加わっていないか」を感知することを優先していると言えます。

仙腸関節の加齢変化

冒頭で述べたように、椎間板と同様に仙腸関節も加齢変化を伴います。具体的には年齢とともに可動性(動き)が少なくなっていきます。

・胎児~10歳頃までは関節面(関節の繋ぎめの面)は平坦で可動性が大きい

・10代になると関節面に凹凸が出現する

・40~50歳代で腸骨の関節面の隆起が増大し、関節軟骨が線維化し、侵食が始まる。

・70歳代では「骨棘」が大きくなり、関節内の癒着が進む

・80歳になると仙腸関節は骨化し、可動性がなくなるケースもある。

このように加齢と共に、仙腸関節は徐々に動かなくなっていくなっていきます。

仙腸関節障害とは

仙腸関節は日常生活の様々な動きに対応できるよう、ビルの免震構造のように根本から背骨のバランスを支えていると考えられます。

しかし、中腰での作業や繰り返しの負荷がかかると関節に微小な不適合が生じ、痛みが発生することがあります。このような症状を「仙腸関節障害」といいます。この症状は決して珍しくはなく、例えば出産後の女性に見られる腰痛に多いとも言われていますし、老若男女問わず腰痛の原因となります。

■仙腸関節障害の症状

仙腸関節障害の特徴的な症状の1つが「左右どちらか片側の腰~お尻、脚に痛みが出る」症状です。

仙腸関節障害で訴えられる腰痛の部位は仙腸関節を中心とした痛みが一般的ですが、その他にも

・臀部(お尻) ・下肢

・鼠径部

などにも痛みが生じます。

いわゆる「ぎっくり腰」の原因の一部は「仙腸関節の捻挫」と言われています。また、仙腸関節の捻れが改善されないまま続くと、慢性腰痛の原因になる恐れもあります。

仙腸関節障害の原因①猫背

先ほど述べたように、仙腸関節は年齢と共に可動性が低下し、痛みが生じやすくなるなると述べました。

しかし、実際は若い方であっても仙腸関節を痛める方は多くいらっしゃいます。

その原因の1つが「不良姿勢」です。具体的には「スウェイバック姿勢」や「反り腰」と呼ばれるような姿勢では仙腸関節に歪みが生じやすくなります。

仙腸関節を構成する骨のうち、仙骨が過剰に前傾する(うなづく)形になることで「ロックされる」形になります。すると靭帯にかかる負担が大きくなります。

この状態が長く続くと仙腸関節を固定する靭帯が弛んでしまいます。その結果「仙腸関節の不安定性」につながり、腰痛の原因となってしまうのです。

仙腸関節障害の原因②脚を組んで座る

もう1つ、仙腸関節が歪む大きな原因の1つが「脚を組んで座ること」です。

皆さんの中にも、お仕事中やカフェなどでお茶などをしている時など・・・ついつい脚を組んで座ってしまう方、いらっしゃいませんか?

「脚を組む座り方」が慢性的になると、「外腹斜筋」や「内腹斜筋」といったウェストの筋肉が弛み、骨盤を支える力が弱くなります。

また、組んだ側の脚の大殿筋や梨状筋(りじょうきん)といったお尻の筋肉も弛み、さらに仙腸関節の後方の靭帯(後仙腸靭帯)が引きにばされる形になります。

「関節の安定性」というのは、骨そのものによる安定性と靭帯や筋肉による固定によって成り立っています。そのうち「靭帯」と「筋肉」という2つの固定を失ってしまうことになり、結果として「骨への負担」が大きくなり、仙腸関節に痛みを生じるようになってしまうのです。

仙腸関節障害の原因③その他の原因

そして、これもありがちなパターンではありますが、「鞄などの荷物を持つときは、左右いつも同じ側に持つ癖がある」こと。

いつも同じ側の手、あるいは肩に鞄をかける癖がある方は多いかと思いますが、こうなると鞄を持っている側の脚に多く体重がかかりやすくなります。

その結果、骨盤の位置に左右差が生じることになり、仙骨腸関節にも歪みが生まれ、痛みを引き起こすリスクが高くなります。

また、先ほど「出産後の女性は仙腸関節障害を引き起こしやすい」とご紹介しましたが、これは出産に際して仙腸関節の周りの靭帯が弛み、産道を広げるためです。

これが出産後に元に戻れると良いのですが、靭帯が弛みっぱなしになってしまっているケースが多く、仙腸関節を痛める原因になってしまっています。

ちなみに、「出産後に体型が崩れてしまった」と悩む女性の方も多いですが、その原因の1つは「骨盤の歪み」にあります。詳しくはまた別の機会にご紹介していきたいと思います。

骨盤ベルトやコルセットは根本的な問題解決には繋がらない?

整形外科では仙腸関節障害の治療や再発予防の方法の1つとして、「骨盤ベルト」や「コルセット」の装着を勧められることもあります。

こうした治療方法は症状の度合いによっては必要かと思います。しかし、残念ながらこれらの方法は「根本的な問題解決」にはならないことが多いのが現実です。

なぜなら、骨盤ベルトやコルセットで骨盤を支えるということは「自分の力で骨盤、仙腸関節を安定させる能力が低下する」恐れがあるからです。

人間の体はよくも悪くも環境に適応しやすく、「筋肉を使わなくても骨盤が安定する」という状況に慣れてしまうのです。

こうなると骨盤を安定させる「コアユニット」と呼ばれる体幹の奥の筋群の機能が低下する恐れがあります。コアユニットは骨盤の安定の他、

・四肢(手脚)の動きの土台  ・姿勢の安定

・背骨の動きのコントロール


などにも関わっています。そのため、骨盤ベルトやコルセットで仙腸関節の痛みを改善したとしても、「自分の力で支える能力」が低下するだけではなく、別の痛みを引き起こすリスクを高める可能性も考えられます。

仙腸関節障害の予防には「猫背」と「左右の重心移動」の改善が不可欠

ここまでご紹介してきたように、仙腸関節障害には「猫背」や「骨盤の左右差」といった体の歪みが大きく影響しています。

そのため、痛みを予防、改善するためには、まず第一に「姿勢改善トレーニング」が不可欠であるということ。

加えて、仙腸関節由来の痛みは左右どちらかに出ることが多いと述べました。この場合、痛みが生じている側の腹斜筋や腹横筋、中臀筋といった骨盤周辺の筋肉が弱くなっていることが考えられます。

具体的には

・猫背改善

・左右の歪みの改善

この2つが重要であることをぜひ、覚えていただきたいと思います。

まとめ

今回は「仙腸関節障害」についてご紹介してきました。

実際、トレーニングの現場でも仙腸関節由来と思われる腰痛をお持ちの方は多くいらっしゃいます。

今回はご紹介してきたように、まず日常生活の中で

・長時間、脚を組んで座らない(多少休む程度なら構いません)。

・鞄などの荷物はこまめに左右で持ち変える。

・中腰姿勢での作業が続く場合は、こまめに休憩を挟む。

などの点に気をつけていただくと良いでしょう。

また、これらとあわせて姿勢改善や骨盤の左右の歪み改善のトレーニングを行うことで、日常生活動作の中での関節への過度なストレスを軽減できるようにすることも重要です。

次回は具体的なエクササイズをご紹介していきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

SHARE

ブログ一覧

ホーム > ブログ > 仙腸関節障害とは?