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腰椎分離症の原因「背骨と胸郭の柔軟性低下」

みなさんこんにちは!姿勢改善トレーニングジム『STUDIO BE FREE』トレーナーの吉田です。

前回は腰椎分離症と腰椎すべり症についてご紹介してきました。詳しくは前回の記事をご参照ください。

その中で、「腰椎分離症、またはすべり症の疑いがある場合はなるべく早く医療機関での検査を受けましょう」とお話ししました。

分離症、すべり症はいずれも「骨の問題」であり、発症した場合は運動療法で痛みを治すことはできず、医療機関での治療が必要となります。

また、症状の進行具合でその後の治療、あるいは日常生活やスポーツをされている方であれば競技生活への影響も大きく変わってきます。そのため、治療中は医師の指導を守り、無理な運動は控えていただきたいと思います。

それを踏まえた上で、今回は腰椎分離症の原因の1つである「背骨と胸郭の柔軟性の低下」についてご紹介していきます。

目次

背骨の動き

前回の記事で、腰椎の後方の「椎弓」という箇所は「背中を反らす動作」や「ジャンプして着地する動作」、「身体を捻る回旋動作」で力がかかるようになっていて、このような動作を繰り返し行うことで生じる疲労骨折が「腰椎分離症」であるとご紹介しました。

また、「背中を反る動き」や「回旋する(捻る)動き」が入るスポーツ・・・具体的にはバレーボールやテニス、ゴルフ等のスポーツを行う人は腰椎分離症に注意が必要だというお話しもしてきました。

ここまで聞くと、「じゃあ、腰椎分離症は避けられない怪我なんだ」と諦めてしまう方もいらっしゃるかもしれません^_^;

確かに「反る」「捻る」動きが入るスポーツではある程度のリスクは存在します(ただ、それを言ってしまうとほぼ全てのスポーツが何らかの怪我のリスクがあるということになるのでキリがありません)。

しかし、あることをしっかりと理解し、意識していけば腰椎分離症のリスクは軽減できます。それが「背骨の動き」です。

背骨の動きは4種類ある

背骨の関節は「椎間関節(ついかんかんせつ)」と呼ばれ、この椎間関節は「屈曲」「伸展」「側屈(そっくつ)」「回旋」の4つの動作が行えます。

1つずつ確認していきましょう。

まず「屈曲」ですが、これは「体をを前方に丸める動き」です。いわゆる「立位体前屈」がこの屈曲に相当します。

次に「伸展」。これは「背中を反る動き」です。クラシックバレエや新体操などでよく見られる動きですね。

続いて「側屈」ですが、これは「体を横に倒す動き」です。ラジオ体操にある、体を横に倒す動きがこの側屈に相当します。

最後に「回旋」ですが、これは「体を捻る動き」。ゴルフや野球のバッティングなどが分かりやすい例ですね。

背骨は部位によって「得意な動き」が決まっている

椎間関節の4つの動きをご紹介してきました。

背骨は「頸椎」「胸椎」「腰椎」の3つの部位に分かれ、それぞれ構造上の問題から「得意な動き」が異なります。

具体的には

・頸椎:屈曲、伸展、側屈、回旋

・胸椎:回旋がメイン

・腰椎:屈曲&伸展がメイン

の動きとなっています。

ゴルフで「腰を捻って打つ」は誤り?

よくゴルフのスイング動作を表現すると言葉で「腰を捻って打つ」と言われますが、この言葉は誤解されやすい部分があります。

というのも、前述したように腰椎は構造上、大きく捻る(回旋する)ようにはできていないからです。

ゴルフスイングで重要なのは「足首の動作」「股関節の動作」「背骨の椎間関節の動作」「肩関節の動作」なのですが、ここでは「椎間関節の動作」に絞って見ていきます。

背骨の中で「回旋」の動きがメインとなるのは「胸椎」です。つまり、スイング時に大きく捻るのは本来「腰椎」ではなく「胸椎」なんですね。

ではなぜ「腰を捻って」といわれるかと言うと、それは正しくは「腰椎」ではなく「股関節の回旋動作」によって骨盤が回旋するから、です。一見すると腰を大きく捻っているように見えますが、解剖学的に見ると、腰椎はそれほど大きく捻られておらず、「股関節」と「胸椎」の回旋動作によって身体の捻りが生まれているんですね。

関節は1ヵ所が動かなくなると、隣の関節で補おうとする

これは椎間関節に限ったお話しではないのですが、私たちの体は「どこか1ヵ所の関節が動かしづらくなると、隣り合う関節で補うようにする」性質があります。

ゴルフのような回旋動作が入るスポーツであれば、身体を捻る動作で重要となるのは「胸椎の回旋可動域」なわけですが、胸椎の椎間関節が硬くなり、回旋動作ができなくなると、隣接する「腰椎」と「肩関節」でその穴埋めをしようとしてしまいます。このように「動かない関節の穴埋めを他の関節で行うような動作」のことを「代償」といいます。

しかしここまで述べてきたように、そもそも大きく回旋するようにはできていない腰椎で回旋の代償をしてしまえば、当然負担が大きくなってしまいます。

そして、負担の大きい動作を繰り返すことで「腰椎分離症」やその他の腰痛のリスクが増大してしまう、というわけですね。

ちなみに胸椎の回旋可動域が小さくなれば、腰椎だけではなく「肩関節」への負担も増えるので肩のケガのリスクも高くなります。


チェックしてみよう!背骨の可動性の評価

ここまでゴルフを例に胸椎の可動性と腰椎分離症との関係についてご紹介してきました。

先ほど、背骨の部位によって得意な動きは異なるとお話ししましたが、

「じゃあ背骨のどの部分がどのくらい動けば良いの?」

と気になるところかと思います。

そこでここからは胸椎と腰椎の椎間関節の可動域のチェック方法と、正常な可動域の目安をご紹介していきます。可能であればご家族やご友人にご協力いただきながらチェックしていただくのがオススメです!

屈曲可動域のチェック

まず最初は「屈曲(背中を丸める動き)」の可動域のチェックです。

■チェック手順

両足をつけて立ち、立位体前屈を行う。

■チェック項目

・地面に指先が軽く触れているか

・背骨の弯曲が均一になっているか

伸展可動域の評価

続いて、「伸展(背中を反る動き)」の可動域のチェックです。

■評価手順

①両足をつけて立ち、後方に向かって身体を倒すように背中を反っていく。

■チェック項目

・骨盤が前方に移動しているか?

・背骨の弯曲が均一か?

回旋のチェック

次は「回旋(捻る動作)」の可動域チェックです。

■チェック手順

①両足はつけて立ち、両手は軽く横に開く。

②そのまま身体を横に捻る。

■チェック項目

・全外的に90度~100度の回旋が起こっているか?(正面から)

背骨の柔軟性を語るうえで欠かせない、胸郭の柔軟性

ここまで背骨の可動域のチェックをご紹介してきました。いかがだったでしょうか?

背骨の柔軟性を語る上でもう一点欠かせないのは、「胸郭の柔軟性との関係」です。

胸郭とは12本の胸椎、左右24本の肋骨、1本の胸骨(きょうこつ:肋骨の中央にある骨)の合計37本の骨から成る、肺、心臓、肝臓といった重要な臓器を守る骨格です。

多くの骨から成るということは、それだけ多くの関節があるということです。1つ1つの関節の動きはそれほど大きな可動域はありませんが、全体の関節の動きが合わさることで、大きく動きます。

実はこの胸郭の柔軟性も背骨の関節の柔軟性、さらに分離症やすべり症の発生リスクに大きく影響を及ぼします。

上半身のパーツの中で1番大きな部位である胸郭

胸郭の柔軟性がなぜ重要かというと理由の1つは「胸郭が上半身のパーツの中で1番大きい」ということです。そして多くの骨で構成されている分、肋椎関節、肋間関節、胸肋関節、肋鎖関節など、複数の関節が存在します。

骨格模型などをご覧いただくと分かるかと思いますが、胸郭は上半身の中で最も大きな部位であることが分かります。

そして、「歩く」「走る」「投げる」「ひねる」といった私たちの身体の動作は全身の関節がバランス良く共同して動くことで成り立っています。例えば「肩を回す」という動作1つとってもそうです(下記リンクの動画参照)。

もし身体の中でも大きなパーツである胸郭の関節が動かなくなるとどうなるでしょう?当然、身体の動き全体に支障が出てくることになります。

四十肩、五十肩の原因にもなる!?

上記のリンクの動画でもご紹介しているように、肩の動きは肩関節だけではなく、胸郭も一緒に動くことでスムーズな動きが生み出されます。

そのため胸郭が動かなくなると、肩を動かす際に「肩関節だけで頑張って動かす」ような形になり、負担が大きくなります。このような状態が長期にわたり続いてしまうことで肩関節の周囲の筋肉や筋膜が癒着を起こし、いわゆる「四十肩」や「五十肩」と呼ばれるような肩の痛みに繋がることもあります。

腰痛の原因にもなる

さらに先程もご紹介したように、胸椎も胸郭を構成する骨の一部です。具体的には、胸椎は「肋椎関節(ろくついかんせつ)」という関節で肋骨と繋がっています。

そのため、胸郭全体の柔軟性が低下するということは、胸椎の椎間関節の可動域の低下にも繋がります。

その結果、特にゴルフなどの身体全体をひねる動作を行った際に胸椎がうまく回旋できず、隣接する「腰椎」と「肩関節」で代償することになり、腰や肩を痛めるリスクが高くなってしまうのです。

まとめ

今回は「背骨と胸郭」と題してお送りしてきました。

じつは現代人は背骨の椎間関節、胸郭の関節の関節が硬く、動かしづらくなっている方が多くのいらっしゃいます。

そのため現在は特に痛みを抱えていなくても、将来的に慢性的な腰痛や肩の痛みが生じるリスクがある方も多くいらっしゃいます。

「今は腰も肩も痛みはないから大丈夫でしょ」

と他人事だと思っているそこのあなた!気づかないうちに「痛みのリスク」は着実に近づいてきているかもしれません。

次回は「背骨や胸郭の関節が硬くなる原因」についてご紹介していきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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