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ピラティス

ピラティスと呼吸

みなさんこんにちは、ピラティスサロン「STUDIO BE FREE学芸大学」トレーナーの吉田です。

前回の記事では「ピラティス8つの法則」と題して、ピラティス動作における8つのキーワードをご紹介してきました。

詳しくはぜひ、前回の記事をご参照ください。

今回は、その8つのキーワードの中でも特に重要とされている「呼吸」についてお話をしていきたいと思います。

ピラティスはただポーズや動きを行うだけではなく、「呼吸を意識する」ことが大きな特徴の1つです。

呼吸は私たちがこの世に生まれて、最初に行う運動とも言われています。「呼吸も運動なの?」と思われるかもしれませんが、運動学的には呼吸も立派な運動の1つであり、「全ての運動の基礎」とも言えます。

ここでは呼吸の重要性や、ピラティスの基本呼吸である「胸式ラテラル呼吸」について解説していきます。

 

目次

呼吸は生まれてから初めて行う運動であり、全ての運動の基礎

 普段、私たちが何気なく行っている呼吸は「生まれて初めて行う運動」と呼ばれています。いわゆる「産声」がそれに当たります。

「呼吸も運動なの!?」と驚かれる方もいらっしゃるかも知れませんが、運動学の観点から見れば、呼吸も立派な運動の1つです。

そして同時に、呼吸は「全ての運動の基礎」とも言われています。姿勢の調節や身体の動きを司る脳は酸素を大量に必要としますし、食事で摂った栄養をエネルギーに変える際にも酸素が必要です。

 この酸素を身体に取り込む働きをを担うのが「呼吸」です。そのため、呼吸の質を良くすることは健康や運動面にメリットがたくさんあります。

深い呼吸をすることのメリット

 後ほど詳しくご紹介しますが、ピラティスの効果の1つは「質の良い、深い呼吸を身につけられること」です。

深い呼吸を身につけることで、

・肺活量のアップ
・自律神経を整え、ストレスから心身を解放する
・脳が活性化し、集中力がアップする
・血液の循環を良くし、冷え性を予防改善する
・代謝を促進し、太りにくく痩せやすい体質に改善する
・血管年齢を若く保つ
・疲労が回復しやすくなる
・体幹のインナーマッスルを強くし、姿勢が良くなる
・肩こりや腰痛を改善する
・便秘改善
・内臓がマッサージされる
・生活習慣病の予防
・免疫力の向上

などなど、さまざまな効果が期待できます。

呼吸が浅くなることで起こるデメリット

 逆に呼吸が浅くなることで起こるデメリットとしては、

・脳や筋肉に十分に酸素が供給されず、疲労がとれにくくなる。
・血液循環が悪くなり、冷え性になりやすくなる。
・免疫力が低下し、風邪を引きやすくなる。
・自律神経が乱れ、頭痛や目眩、睡眠不良などの原因になる。
・いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になる。
・身体の緊張が強くなり、肩こりや腰痛、足をつりやすくなる。
・体幹のインナーマッスルが弱くなり、猫背や運動パフォーマンスの低下につながる。

などがあります。

ピラティスの基本の呼吸:胸式ラテラル呼吸とは?

 ピラティスは基本的に「胸式ラテラル呼吸」という呼吸法で行います。

「ラテラル」とは「横の方へ」という意味で、「肋骨を横方向に拡張して行う胸式呼吸」がピラティスのベースの呼吸となります。

■胸式ラテラル呼吸のポイント

・鼻から息を吸って胸を膨らませ、口から吐きながら胸をしぼませる。

この時、肋骨の前だけではなく横、後ろも拡張するように息を吸いましょう。特に「背中にも空気を入れるイメージ」で息を吸うことを意識しましょう。

・息を吐くときは、拡張した肋骨を閉じるような感覚で口からゆっくりと息を吐く。

・呼吸中は下腹部を平らにキープしておく。

胸式ラテラル呼吸のメリット

 胸式ラテラル呼吸のメリットとしては、

・肋骨を拡張して呼吸を行うことで体に十分な量の酸素を取り込んで脳を活性化し、頭が冴えるようになる

・交感神経を刺激して、心身を活動モードに切り替えることで、エクササイズの効果を高めることができる

などがあります。

ヨガの呼吸との違い

 呼吸法を意識したエクササイズメソッドとして代表的なものにヨガがあります。

ヨガの呼吸は胸式呼吸と腹式呼吸を組み合わせた「完全呼吸」と呼ばれる呼吸法で行われることが一般的で、「鼻から吸って、鼻から吐く」鼻呼吸で、お腹を膨らませて、へこませるように意識するのが特徴です。

 ピラティスの「胸式ラテラル呼吸」が活動モードの交感神経を刺激するのに対し、ヨガの「完全呼吸」はリラックスモードの副交感神経を刺激し、心身を緊張から解放する効果があります。

 ちなみにSTUDIO BE FREEのピラティスでは必要に応じてこの「完全呼吸」を取り入れたエクササイズもご提供しています。

肋骨の動きと呼吸の関係

 胸郭ラテラル呼吸では「肋骨の前だけではなく横、後ろも拡張するように息を吸う」と述べましたが、この肋骨の動きは、呼吸で肺に空気を取り込む際に不可欠な動作です。

 呼吸の際、息を吸うと肺が膨らんで空気が入り、息を吐くときには肺が縮んで空気が吐き出される形で空気が循環するイメージがあるかと思います。ですが、肺自体は自ら動くことはできないんですね。

 それでは、どうやって肺に空気が出入りしているかというと、肺が位置する肋骨内のスペースである「胸腔(きょうくう)」の体積が変化することで起こります。

 息を吸うと肋骨が前後左右に動いて胸腔の体積が広がり、それに伴い肺が拡張されて空気が流れ込みます。逆に息を吐く、広がった肋骨の位置が元に戻って胸腔の面積が縮小、同時に肺が縮んで空気が排出されます。

 このように、呼吸時の肋骨の動きがあることで胸腔内の内側の肺も動き、体内と体外の空気の循環が起きているんですね。肋骨を動かしているのは「横隔膜(おうかくまく)」と「肋間筋(ろっかんきん)」という筋肉です。

 このように肋骨がスムーズに動くことで、呼吸もスムーズに行われます。ピラティスは「胸式ラテラル呼吸」で呼吸時の肋骨の動きを意識して行うことで、呼吸機能を高める効果が期待できます。

胸郭ラテラル呼吸の練習方法

 それでは、実際に胸式ラテラル呼吸の練習を行ってみましょう。

■練習手順

① 仰向けになり、膝を曲げて足裏を床につけます。両膝の間はこぶし1個分程度開いておきましょう。

② 両掌をお腹に置きます。

③ 鼻から息を吸って、口から吐きながら下腹部を平らにします。

④ 下腹部を平らにした状態のまま、胸や肋骨が広がるように大きく鼻から吸います。
この時、肋骨の横や後ろ側にも空気を入れるイメージで息を吸いましょう。

⑤ 肋骨が内側に閉じるのを感じながら口から息を吐き、吐ききったら再度下腹部は平らにしたまま胸に空気を入れます。

⑥ 下腹部を平らにしたまま、胸の呼吸を繰り返します。10呼吸を目安に行いましょう。

ポイントと注意点

・息を吸うときは、肋骨を前後左右に拡張するように意識しましょう。

・呼吸中は腰を床につけておきましょう。息を吸ったときに腰が床から浮かないように注意しましょう。

・呼吸は速く行わず、ゆっくりと行いましょう。「3秒かけて息を吸い、3秒かけて吐く」イメージで行いましょう。

・お腹を押しつぶすというより、おへそが背骨に引き寄せたまま胸を膨らますことをイメージして呼吸を行いましょう。

肋骨を拡張しづらい理由

 ここまで胸式ラテラル呼吸の練習方法をご紹介してきましたが、最初はなかなか難しく感じる方も多いかもしれません。

特に多いのは、

・息を吸ったときに肋骨の横や後ろが拡張せず、前側だけが大きく開くように動く呼吸になってしまう
 
・息を吸ったときに首がすくむように肋骨が上に持ち上がってしまう

といったケースです。

普段あまり意識して動かすことがない部分を使うため、動きが慣れていない他、首肩こりが原因となって呼吸がしづらくなっていることが原因の場合もあります。

首こり、肩こりは首や肩まわりの筋肉が中心に起こっているわけではなく、首から背中、肩甲骨まわりにもそのこりが広がっている場合が多く見受けられます。

 さらに、普段から猫背で背中が丸まっていたり、長時間のスマートフォンやパソコンの使用などによって首から背中にかけての筋肉が過剰に緊張している場合が重なると、背中の筋肉はあっという間に硬くなってしまいます。

ラテラル呼吸では、胸全体だけでなく背中にも空気を入れるイメージで息を吸うことで、より深い呼吸が行えるようになります。しかし、その背中の筋肉が硬く固まっていては広がることができません。

 このような場合は、首や肩、背中の筋肉を軽くストレッチしてからラテラル呼吸を行うことで、より深い呼吸を行うことができるようになります。

まとめ

 今回はピラティスの基本の呼吸法である「胸式ラテラル呼吸」をご紹介していました。

ピラティスは普通の筋トレとは異なり、深い呼吸を身につけることで筋肉を鍛えるだけではなく、脳への酸素供給をスムーズにし、

・集中力のアップ

・ストレスの軽減

・血液循環の促進

・睡眠の質の向上

など、心身両方に良い効果を期待できるのが大きな特徴の1つです。

 その一方で、「ピラティスを始めたけれどなかなか呼吸がうまくできない」という声も多く耳にします。

そこで、次回は「呼吸をスムーズにするピラティスエクササイズ」をご紹介していきます。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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