90%の人が知らない!?猫背になってしまう本当の原因②:ボディスキーマ(身体図式)が歪む原因とは?
みなさんこんにちは。猫背改善トレーニングジムSTUDIO BE FREEの吉田です。
前回から『90%の人が知らない!?猫背の本当の原因』と題してお送りしてきています。
その中で、
・姿勢は体のセンサー(感覚器官)から情報のインプット➡️インプットされた情報を脳が統合し、最適な姿勢を選択➡️脳から筋肉にアウトプットされ、姿勢が成り立つという3段階で調節される。
・上記の3段階のプロセスは脳の中にある「身体の地図」であるボディスキーマ(身体図式)に基づいて行われる。
・そのためボディスキーマが歪むと猫背になる。
とご紹介してきました。詳しくはぜひ、前回の記事をご参照ください。
今回は「ボディスキーマが歪む原因」についてお話をしていきたいと思います。
目次
- ○ ボディスキーマは日々アップデートされている
- ・脳に情報をインプットするには運動が不可欠!
- ○ 現代のライフスタイルがボディスキーマを歪ませる!?
- ・オフィスワークはボディスキーマの歪みを助長しやすい。
- ・便利な自動車や交通機関がボディスキーマの更新を妨げる
- ・ワンパターンの運動だけでは限られた刺激しか入らず、ボディスキーマが歪んでしまう
- ・運動会でお父さんが転んでしまうのは、ボディスキーマが歪んでいるから!?
- ・猫背を治すにはボディスキーマの歪みを修正し、精度を高めることが不可欠
- ○ まとめ
ボディスキーマは日々アップデートされている
ボディスキーマが歪む原因についてご説明していく前に、「ボディスキーマは日々アップデートされている」ということをまずご紹介していきます。
姿勢調節の3段階の説明のときにも述べましたが、体の各部位にあるセンサー(感覚器官)から情報が脳にインプットされています。このインプットされた情報を基に脳はボディスキーマをアップデートし、正確性を高めています。
つまり、ボディスキーマは「体のセンサーからのインプットありき」であると言えます。
脳に情報をインプットするには運動が不可欠!
そして、このセンサーから脳への情報のインプットで欠かせないのが身体を動かすこと、つまり運動です。
運動で関節を動かすと筋肉や関節に存在する様々なセンサーがそれを感じとり、
「今、筋肉はこれくら伸びている、または縮んでいる」
といった情報を脳にインプットします。脳はこのような筋肉の伸び縮み具合などによって、「今、体はこのような状態になっている」という情報の一部をキャッチしています。
このように、運動によって身体を動かすことでセンサーから脳への情報のインプットが促され、ボディスキーマのアップデートがなされているというわけです。
現代のライフスタイルがボディスキーマを歪ませる!?
ところが、現代人の多くはこのボディスキーマが歪んだ状態にあるため、猫背姿勢の人が多いと言われています。その原因はズバリ現代のライフスタイルにあります。
具体的には「デスクワーク中心の働き方」と「自動車や鉄道などの交通機関の利用による1日の歩数の減少」、そして「ワンパターンの運動しか行っていない」ことなどがあげられます。
以下、詳しくみていきましょう。
オフィスワークはボディスキーマの歪みを助長しやすい。
まず、オフィスワークとボディスキーマの関係についてですが、オフィスワーカーの方はボディスキーマの精度が低下している人が非常に多くいらっしゃいます。
その理由は、オフィスワーク中はパソコンを操作する指先や手首、せいぜい肘関節など、ごく限られた関節しか動かさしてないため、脳への情報のインプットが少なくなることにあります。
関節を動かすことで筋肉が伸び縮みをおこし、その感覚が脳に「今、自分の身体はこのような状態・状況にある」という情報としてインプットされます。
しかし、デスクワークでデスクからあまり動かない生活が続くと、こうした筋肉や関節のセンサーからのインプットが少なくなり、ボディスキーマのアップデートに必要な感覚刺激が不足してしまうのです。
便利な自動車や交通機関がボディスキーマの更新を妨げる
また、自動車や鉄道などの乗り物や交通機関の使用も、やはり身体を動かす鬼海を奪うため、ボディスキーマの歪みを助長する原因の1つとなります。
歩くことは、単にカロリーを消費したり足腰を丈夫にするだけではなく、全身の関節を動かすと共に、周囲への注意力も自然と高まるので、視覚、聴覚、平衡感覚など様々な感覚を刺激し、脳への情報のインプットを増やす意味でも大事なことなのです。
ワンパターンの運動だけでは限られた刺激しか入らず、ボディスキーマが歪んでしまう
また、「毎日運動はしている」という人の場合でもワンパターンの運動ばかりを行っていると、やはりボディスキーマが歪む原因になってしまいます。
というのも、脳が情報をキャッチする場所は、情報をインプットした体の部位によって異なるからです。
例えば、足の関節からの情報は脳の頭頂葉という場所にインプットされます。そのため、足の筋肉や関節をあまり動かさないと、頭頂葉への刺激が少なくなり、働きが弱くなってしまうことが考えられます。
このように、体の一部だけを動かせば良いというわけではなく、首や肩、腕、腰など体の色々な部位を動かしていなければ、それらの感覚情報がインプットされる脳にも働きが強い部分と弱い部分ができるなどムラが生じてしまいます。
その結果、「脳の中の身体の地図」であるボディスキーマにもばらつきが生じ、歪む原因になるのです。
運動会でお父さんが転んでしまうのは、ボディスキーマが歪んでいるから!?
小学生の頃、運動会で保護者が参加する競技で、はりきって参加したお父さんが走ったら勢い良く転んでしまった・・・そんな記憶がある人はいらっしゃいませんか?
これも運動不足で体力が落ちているわけではなく、ボディスキーマが歪みも原因の1つになっていると考えられます。いわゆる「身体がなまっている」と呼ばれる状態ですが、これはボディスキーマの精度が低下しているため、自分のイメージ通りに身体が動かなくなっている状態です。
猫背を治すにはボディスキーマの歪みを修正し、精度を高めることが不可欠
前回も述べましたが、私たちは脳の中のボディスキーマに基づき、その時々の場面に応じて最適な姿勢を調節しています。
そのため根幹となるボディスキーマに歪みが生じてしまうと、「まっすぐ良い姿勢で立っているつもり」でも、実際は背中が丸まっているといった具合に、自分のイメージと現実の姿勢との間に解離が生じることになるのです。
つまり、猫背を治すにはボディスキーマの歪みを修正し、精度を高めることが不可欠であるということです。
まとめ
今回は「ボディスキーマ(身体図式)が歪む原因とは?」と題して、
・デスクワーク中心の働き方
・「自動車や鉄道などの交通機関の利用による1日の歩数の減少」
・「ワンパターンの運動しか行っていない」
を挙げました。
実際にはこの他にも様々な要因がボディスキーマ(進退図式)の歪みを引き起こすのですが、いずれにせよ現代のライフスタイルはボディスキーマの精度を低下させ、猫背を誘発しやすいと言えるでしょう。
次回は自分のボディスキーマは正常か、それとも歪んでいるか?を簡単にチェックできる方法をご紹介します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。