姿勢をコントロールしているのは脳!?
皆さんこんにちは。パーソナルトレーニングジムSTUDIO BE FREEトレーナーの吉田です。
前回は「やってみよう♪姿勢チェックとNG姿勢パターン」と題して、自宅で行える姿勢チェック方法と、よくある姿勢のNGパターンをご紹介してきました。
今回は「姿勢をコントロールしているのは脳!?」と題して、私たちの姿勢がどのようにコントロールされているのかの仕組みについて見ていきたいと思います。
目次
- ○ 猫背矯正=「丸まった背中をまっすぐに伸ばす」は間違い!?
- ・現代人の猫背の特徴=反り腰猫背
- ・「反り腰猫背」に「まっすぐ伸ばす矯正方法」は逆効果!?
- ○ 私たちの姿勢はどうやってコントロールされているのか?
- ・身体に存在する無数のセンサー=感覚器官から脳へのインプット
- ・周囲の状況に合わせて無意識にコントロールされている姿勢
- ・昔の日本人は生活の中で脳が活性化されていた?
- ・現代のライフスタイルは脳が活性化しにくく、猫背になりやすい!?
- ○ 姿勢の矯正には脳の活性化が必要!?
- ○ 無料肩こり&腰痛相談コースのご予約はこちら
- ○ トレーナー紹介
猫背矯正=「丸まった背中をまっすぐに伸ばす」は間違い!?
「猫背を矯正する」と聞くと、「丸まった背中をまっすぐに伸ばして治す」というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
実際、通販やネット販売などで見かける猫背矯正ベルトなどは、丸まった背筋をまっすぐに伸ばせるように身体をサポートするものが殆どです。
しかし、現代人に多く見られる猫背パターンを考えると、この「背中をまっすぐに伸ばす」という矯正方法は適切とは言いがたいのが現実です。
現代人の猫背の特徴=反り腰猫背
現代人に多く見られる猫背は「反り腰猫背」と呼ばれる姿勢です。
これはスマートフォンやパソコンの画面を見る機会が多いため、顔が前に突き出るように首の付け根の部分が過剰に丸まり、逆に背中や腰は背骨の本来の丸みを失って過剰に背骨が反って骨盤が前に突き出たり、「ストレートネック」と呼ばれるような背骨がまっすぐになった姿勢を指します。
「反り腰猫背」に「まっすぐ伸ばす矯正方法」は逆効果!?
このように現代人に多く見られる猫背は、猫背といいながら実際は「頭が前に突き出て背骨が大きく反った姿勢」であるのが実態です。
そして背骨が過剰に反った状態になると、背骨と繋がっている肋骨や骨盤の位置も歪みます。その結果、身体の中心部分が崩れ、ボディラインの崩れという見た目の問題はもちろん、腰痛や肩こりといった健康上の問題を引き起こす原因にもなるのです。
つまり「背中を伸ばす」という矯正方法では、かえって背骨の反りをより過剰にし、こうした見た目や健康の問題をより悪化させる危険があるということです。
私たちの姿勢はどうやってコントロールされているのか?
では猫背を矯正するにはどうすれば良いのか?その答えをお伝えする前に、少し専門的なお話になりますが、「私たちはどのように姿勢をコントロールしているのか」の仕組みについて見ていきましょう。
身体に存在する無数のセンサー=感覚器官から脳へのインプット
私達は身体中にあるセンサーから送られてくる情報によって、無意識に自分の身体がどのようになっているのかを理解しています。
ここでいう身体のセンサーとは「感覚器官」と呼ばれるもの。
・いわゆる「五感」を感じ取る目、鼻、耳、口、肌の他、
・身体の傾きや前後左右どの方向に自分が進んでいるのかを感じる「平衡感覚」をキャッチする耳の奥にある三半規管と耳石(じせき)
・肩や肘、膝などの関節がどれくらいの角度曲がっているかなどを感じる「体性感覚」を感じ取る筋肉や関節に存在する固有受容器と呼ばれる器官
をはじめ、無数のセンサーが私達の身体には存在しています。これらの感覚器官=センサーは身体を動かすことで働き、脳に「感覚刺激」と呼ばれるたくさんの情報をインプットされているのです。
周囲の状況に合わせて無意識にコントロールされている姿勢
そして全身のセンサーからの情報を受けた脳や脊髄は現在の自分がいる場所や状況を認識、それに合わせて最適だと考えられる姿勢をとれるよう筋肉に指令を出し(アウトプット)、姿勢を調節しています。
このように私達は「センサーからのインプット→脳での認識→筋肉へのアウトプット」による姿勢のコントロールを絶えず無意識のレベルで行っているのです。
例えば、平らな床の上に立ってるか、傾斜がある坂道に立っているのか、柔らかい土の上に立っているのか、硬いアスファルトの上に立っているのか。
立っている場所によって、私たちは無意識に微妙に足裏の体重の位置や重心の位置を変え、転ばないように立ち、歩いていますよね。
こういったことができるのも、全身のセンサーで自分がどういう場所に立っているのかを感知して脳に情報を送り、脳がそれらの情報を基にリアルタイムで筋肉に指令を出し、最適な姿勢や動きを調整しているからなのです。
昔の日本人は生活の中で脳が活性化されていた?
江戸時代までの日本人は江戸から京都まで行く際には東海道を歩いて向かっていました。舗装されていない凸凹道を歩いて、時には上り坂、下り坂と現代と比べて険しい道をひたすら歩いてたわけです。
このような過程で足裏のセンサーが凸凹道によって刺激されたり、長時間歩くことで関節や筋肉のセンサー、さらに坂道などの傾斜を歩くことで三半規管や耳石などの平衡感覚を感知するセンサーなど、多くの刺激を受けていました。
こうした身体中のセンサーからのインプットが脳の活動を活発にし、姿勢はもちろん理想的な身体の動きを生み出す重要な働きを担っています。その意味で昔の日本人は日常生活の中で脳が活性化される機会が多かったと考えられます。
現代のライフスタイルは脳が活性化しにくく、猫背になりやすい!?
しかし車や電車での移動が中心となり、機械やインターネット、AIといったテクノロジーが発達した現代では身体を動かす機会が大幅に少なくなりました。それに伴い、身体のセンサーである感覚器官から脳にインプットされる情報が少なくなっています。そのため、脳が正常な発達ができなくなったり、機能低下を起こす傾向にあると言われています。
日常の活動量や運動量が減り、脳にインプットされるはずの全身の感覚器官からの「感覚刺激」が少なくなると、脳は「自分の身体がどうなっているのか」が感覚的に理解することができなくなります。
このような状態が続くと脳は「危険な状態だ」と認識し、自律神経のうち交感神経と呼ばれる緊張モードのスイッチを入れます。交感神経が過剰になると背中の筋肉の緊張が高まり、骨盤は前傾して反り腰の状態になり、更には本来丸みがあるはずの胸椎と呼ばれる背骨の胸の部分が反るような姿勢になります。
また、感覚情報が減少すると脳の機能が低下し、胸周りの筋肉の緊張が強くなります。その結果、肩が前に引っ張られて「巻き肩」となり、現代人特有の「反り腰猫背」が出来上がってしまうというわけです。
姿勢の矯正には脳の活性化が必要!?
ここまでご紹介してきたように、私たちの姿勢は脳や脊髄によってコントロールされています。そのため、猫背や反り腰を矯正してキレイな姿勢を創るためには「脳の活性化」が必要だと言われています。
では、脳を活性化させるにはどのようなことが必要なのでしょう?次回は「脳の活性化に必要な3つのもの」についてご紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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トレーナー紹介
◼️吉田昇平
▪️保有資格
・IBMA(国際ボディメンテナンス協会)認定ピラティスマスターインストラクター
・IBMA(国際ボディメンテナンス協会)認定パーソナルストレッチベーシックトレーナー
・加圧国際大学認定加圧トレーニングインストラクター
・Re-Arch foot認定トレーナー
・Re-Arch head認定トレーナー
介護予防フィットネス施設でインストラクターとして勤務後、運動指導者としてより知識を深めたいと考え、ピラティス、ストレッチを学んだ後、パーソナルトレーナーとして活動を開始。
「デスクワークが多い現代人の悩みである肩こり、腰痛を根本から改善する」ことをモットーに10年近くに及ぶ指導経験の中で、20~70代の幅広い世代のクライアントの肩こり、腰痛の悩みを解消し支持を得ている。