ボディマップの歪みチェック方法
皆さんこんにちは。学芸大学駅前のパーソナルトレーニングジムSTUDIO BE FREEトレーナーの吉田です。
当スタジオでは猫背矯正をはじめとした体質改善トレーニングをご提供しています。
この記事では脳と体をつなぐ「身体図式(ボディマップ)」の歪みがあるかどうかのチェック方法をご紹介します。
目次
- ○ あなたの地図は歪んでいない?ボディマップのチェックテスト
- ○ ボディマップのセルフチェック① 指鼻タッチテスト
- ・チェック基準
- ・概要
- ○ ボディマップのセルフチェック② 指タッチテスト
- ・チェック基準
- ・概要
- ○ バードドッグテスト
- ・チェック基準
- ・概要
- ○ 片足立ちテスト
- ・チェック基準
- ・概要
- ○ VORテスト
- ・チェック基準
- ・概要
- ○ 鈍っているのは体ではなく脳の方!?
- ○ 脳のプログラミングを強化して、「疲れにくく、痛めにくい正しい体の使い方」を手に入れよう
- ○ まとめ
あなたの地図は歪んでいない?ボディマップのチェックテスト
前回の記事で、私たちの脳の中には「ボディマップ」と呼ばれる体の地図があると述べました。このボディマップがあることで、
・自分の手足の長さ
・どの程度に関節を曲げれば良いか
・力加減はどのくらいか
を把握し「この階段は1段の高さが○○cmだから、これくらい足を上げればつまずかないはずだ」などと考えなくても、スムーズに階段を上り降りできるのも、飛んできたボールをキャッチして投げ返すなどの動作がスムーズに行えるというお話でした。
そこで今回はボディマップが正常かどうかを確認できる簡単なセルフチェック方法をご紹介します。
ボディマップのセルフチェック① 指鼻タッチテスト
これは目を閉じて鼻に触ることで「ボディマップが正常かどうか」をチェックするテストです。
① リラックスした姿勢で立ち、両手を前に伸ばして目を閉じます。
② 右手の人差し指の先端を鼻先につけ、元の位置に戻します。
この時、指先が鼻に向くように手首の角度に気をつけて、スピードを落とさないように行いましょう。
③ 同様に中指、薬指、小指の先端を順に鼻先につけていきます。
④ 右手の4本を終えたら、左手でも同様に繰り返しましょう。左右合計で何本の指で鼻先を触れられるか数えましょう。
チェック基準
○7本以上:ボディマップが正常で小脳がしっかり働いています。
△4~6本:ボディマップが歪み、小脳の働きが少し弱っていると思われます。
✕3本以下:ボディマップが大きく歪み、小脳の働きが弱っている可能性があります。
概要
正確に鼻先に触れるためには、腕や手、体の中心を安定させてコントロールする脳の「小脳」という部位が正常に働いている必要があります。
指が鼻先からずれたり、鼻先を探すように動いてしまう場合は、ボディマップが歪み、小脳の働きが弱まっていると考えられます。
ボディマップのセルフチェック② 指タッチテスト
これは左右の手の共同の動きが必要なテストです。両腕のボディマップが歪んでいたり、左右で感覚とコントロールの差があると正確にはできません。
① リラックスした姿勢で立ち、腕を広げ、両手の人差し指を立てます。
② 目を閉じて、正面を向いたまま胸の正面で両手の人差し指を合わせます。
※この時、スピードが落ちないように気をつけて、しっかりと指先同士を合わせましょう。
③ 次に頭上、続いて下の方でも同じように指先を合わせます。
④ 続いて、左側の上下でそれぞれ指先を合わせます。
⑤ 次に、同じように右側の上下でそれぞれ指先を合わせましょう。
チェック基準
○5回以上:ボディマップは正常です。
△3~4回:ボディマップはやや歪んでいる可能性があります。
✕2回以下:ボディマップは歪んでいて、改善が必要だと思われます。
概要
目を閉じて左右の指と指を合わせることで、脳の中にあるボディマップが歪んでいないか(脳が指先の位置をきちんと認識しているか)をチェックするテストです。
ボディマップが正常であれば、目を閉じていても指先同士を合わせることができますが、歪んでいると指先が合わず、すれ違ってしまいます。
バードドッグテスト
不安定な姿勢でバランスを取りながら肘と膝をタッチすることで、ボディマップが正常かどうかをチェックするテストです。
① 四つん這いになり、両足のつま先を床から浮かせます。
② 右腕と左足を同時に伸ばします。
③ つづいて、右腕と左足の膝をくっつけます。
※この時、肘と膝を視線で追ったり、見ながら当てないようにしましょう。
④ ②~③を3回繰り返し行います。
⑤ 反対の左肘・右膝でも同様に行います。
チェック基準
○両方とも3回ずつバランスを崩すことなく行える:ボディマップ、前庭感覚、小脳が正常に機能しています。
△片側あるいは両方1~2回:ボディマップが歪み、前庭感覚、小脳の機能が弱まっている可能性があります。
✕両方とも0回:ボディマップの歪みが大きく、前庭感覚、小脳の機能が弱まっています。
概要
筋肉や腱で筋肉の伸びなどを察知する深部感覚という感覚により
「肘や膝がどこにあるのか」
「どの程度関節を曲げれば付けることができるか」
を脳は知ることができます。
脳が肘と膝の位置を正確に理解できていれば、スムーズにくっつけることができます。ぐらついたり倒れたりしてしまうのは、脳の中の小脳などのバランスを司る部分の働きが低下し、アウトプットを高速処理できていないためです。
片足立ちテスト
片足立ちで「ボディマップ」と平衡を保つための「前庭感覚」が働いているかをチェックするテストです。平衡を保って頭の位置をキープする機能が正常に働いているかどうかがわかります。
① 右足を上げて片足立ちをします。
② 眼を閉じて、そのまま20秒間片足立ちの姿勢をキープします。
③ 左足を上げて同様に行いましょう。
チェック基準
○左右ともぐらつかずに20秒間キープできる:ボディマップは正常だと考えられます。
△左右ともぐらつきながら20秒間キープできる:ボディマップが歪んでいる可能性があります。
✕左右ともに20秒間キープできない:ボディマップが歪みが大きく、前庭感覚機能の低下が疑われます。
概要
前庭は頭の位置を感じる三半規管や重力を感知する耳石からの情報をキャッチする感覚です。この前庭感覚が脳にインプットされ、体へ平衡を保つように指令を出し、体が適切にそれをアウトプットできれば、目を閉じていても片足立ちでバランスを保つことができます。
VORテスト
VORとは「前庭動眼反射(Vestibulo Ocular Reflex)」を指し、頭の位置を認識して姿勢の維持に貢献します。
① 左足のかかとに右足のつま先をつけ、両足を前後に揃えて立ちます。
② 右手で目線の高さにペンを持ちます。
③ ペンを見つめたまま、素早く頭のみを左右へ動かします。
※この時、ペン先をぶらさないように気をつけましょう。
④ 5回繰り返しましょう。
⑤ 足を入れ替えて、同様に行います。
チェック基準
○左右とも倒れずに行える:ボディマップと三半規管の機能は正常です。
△どちらかで倒れてしまう:平衡感覚や小脳の機能が低下している可能性が考えられます。
✕左右ともに倒れてしまう:ボディマップ・平衡感覚両方が低下している可能性が考えられます。
概要
一直線に立ち、頭を動かすことでボディマップと三半規管をチェックするテストです。水平にバランスを保つために前庭の機能がしっかり働き、それぞれの足がバランスを保つために地面を捉えることができれば、倒れることはありません。
鈍っているのは体ではなく脳の方!?
ここまで5つのチェックテストをご紹介してきました。実際に行ってみた方はいかがだったでしょうか?
・ちょっとした段差でつまずいてしまう
・久しぶりにスポーツをしようとしたら、体が思い通りに動かない
などなど・・・しかし、実際に鈍っているのは体ではなく脳の方。つまりボディマップの歪みが原因になっているのです。
脳のプログラミングを強化して、「疲れにくく、痛めにくい正しい体の使い方」を手に入れよう
ボディマップは体を動かすことによってセンサー(感覚器官)から脳に刺激をインプットされることで更新されていきます。つまり、運動こそが脳をボディマップを更新する方法であるということです。
ボディマップを正常にできれば、脳は正しく自分の身体の姿勢や動きを認識し、コントロールできるようになります。その結果、日常生活の中で「疲れにくく痛めにくい正しい体の使い方」ができるようになります。
過度な体の緊張による肩こりや腰痛、疲労などといった不調の改善にもつながるというわけです。
まとめ
今回は「チェックしてみよう!ボディマップの歪みチェック」と題して、自身のボディマップが正常に機能しているかどうかのチェックテストをご紹介してきました。
次回の記事では、ボディマップの歪みを改善するエクササイズをご紹介していきます。