間違った猫背改善5つ
皆さんこんにちは。学芸大学駅前のパーソナルトレーニングジムSTUDIO BE FREEトレーナーの吉田です。
この記事では、猫背矯正にほとんど効果のない、「やってはいけない猫背の改善方法」についてご紹介していきます。「何をやっても猫背が治らない」とお悩みの方はぜひお読みください。
目次
- ○ それ、逆効果です!やってはいけない猫背改善
- ○ やってはいけない猫背改善① 姿勢矯正ベルトを装着する
- ・矯正ベルトは「体を固定している」だけ
- ・体幹の筋肉を弱くし、更なる姿勢の悪化を招くリスクも
- ○ やってはいけない猫背改善② 背中を反らせる
- ○ やってはいけない猫背改善③ 肩甲骨を寄せて胸を張る
- ○ やってはいけない猫背改善④ 顎を引く
- ・首の正しいカーブがなくなると、頭の重さで首こり、肩こりになってしまう!?
- ○ やってはいけない猫背改善⑤ 整体やストレッチだけで猫背を改善しようとする
- ・施術で歪みを治すだけではなく、運動で脳に姿勢を学習させることが必要
- ・運動で体を動かすことで、脳に感覚情報をインプットし、良い姿勢をとれるようになる
- ○ まとめ
それ、逆効果です!やってはいけない猫背改善
ここでは、ついついやりがちな、誤った猫背改善の方法をご紹介していきます。中には「姿勢を良くする方法」として紹介されていたり、世間一般的には正しい方法と思われているものもありますので、「逆効果」と言われて驚く方もいらっしゃるかもしれません。
やってはいけない猫背改善① 姿勢矯正ベルトを装着する
やってはいけない猫背改善の1つ目は「姿勢矯正ベルトを装着する」です。
猫背でお悩みの人の中には、1度はインターネット等で探してみたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
姿勢矯正ベルト、あるいは姿勢矯正ベルトは肩や背骨を正しい位置に保つ、一種の補助的な器具です。しかし、こうした矯正ベルトは装着している間は姿勢が真っ直ぐに保たれることはあっても、根本的な姿勢改善という意味では残念ながら効果は期待できません。
矯正ベルトは「体を固定している」だけ
なぜ、姿勢矯正ベルトは猫背を改善することができないのか?その理由はこれまでご紹介してきたように、姿勢というものは脳が体のセンサー(感覚器官)から得た情報を基に調節し、体の各部位に指令を出して整えているからです。
しかし、姿勢矯正ベルトは「体を固定するだけ」に過ぎず、脳に学習させる機能はありません。筋肉や関節に備わったセンサーが十分に機能しないため、そこから脳へのインプットが行われず、脳の姿勢調整の機能が働かなくなってしまうのです。
体幹の筋肉を弱くし、更なる姿勢の悪化を招くリスクも
それどころか、姿勢矯正ベルトは体を強制的に拘束してしまうため、本来姿勢を維持するために働くはずの腹筋や背筋、「コア」と呼ばれる体のインナーマッスルを使わなくとも背筋を伸ばせてしまいます。
その結果、「自分自身で姿勢をきれいに保つ力」が低下し、更なる猫背の悪化を招く恐れも考えられます。
やってはいけない猫背改善② 背中を反らせる
やってはいけない猫背改善の2つめは「背中を反らせること」です。
「猫背」と聞くと「背中が丸まっている」印象をお持ちの方が多いかと思います。そのため、猫背になっていると「背筋を真っ直ぐに伸ばしなさい!」と注意されて一生懸命背筋を伸ばしたというご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、現代人に多い「反り腰猫背」ではすでに腰から背中にかけた部分が過剰に反った状態です。そのため、「丸まった背中を真っ直ぐにしよう」と背中を反らせてしまうと、ますます姿勢が崩れる原因になってしまいます。
やってはいけない猫背改善③ 肩甲骨を寄せて胸を張る
やってはいけない猫背改善の3つめは「肩甲骨を寄せて胸を張る」です。
猫背の人は体が丸まり、肩が前に出ている「巻き肩」になっているケースが多く見られます。そのため、猫背を改善しようとする際に肩を後ろに引いて肩甲骨を寄せがち。
しかし猫背を考えた時、多くの場合肋骨が歪んでしまっているケースがほとんどです。そして肩甲骨は肋骨の上に載っています。そのため、肋骨の歪みを正す前に肩甲骨の位置を改善しようとしても、かえって猫背の悪化につながってしまいます。
そのため猫背を改善し、肩や肩甲骨を正しい位置に戻すためには、肩甲骨を寄せて胸を張るのではなく、まずは「肋骨の歪みを整える」ことが必要です。
やってはいけない猫背改善④ 顎を引く
やってはいけない猫背改善の3つめは「顎を引く」です。
猫背にお悩みの方の多くは、デスクワークやスマートフォンを操作している時に、顎が上がってしまっている様子が見受けられます。そのため、姿勢を良くしようと顎を引く人が多くいらっしゃいます。
しかし、現代人に多い「反り腰猫背」の人には首のカーブがない、ストレートネックが併発しているケースも多くあります。このストレートネックの人が顎をさらに引くと、首がさらに真っ直ぐになったり、場合によっては逆方向にカーブする「リバースネック」になってしまうこともあります。
首の正しいカーブがなくなると、頭の重さで首こり、肩こりになってしまう!?
正常な姿勢の背骨を横から見ると、背骨の首の部位である頸椎は前方にカーブを描いています。この前方カーブは5kg以上ある頭の重さを分散させたり、衝撃を吸収する役割を担っています。
そのため、この頸椎のカーブがなくなると、首や肩の筋肉にかかる負担が大きくなり、首こりや肩こり、頭痛を引き起こす原因になってしまうのです。
やってはいけない猫背改善⑤ 整体やストレッチだけで猫背を改善しようとする
やってはいけない猫背改善の4つめは、「整体やストレッチだけで猫背を改善しようとする」です。
街を歩いていると整骨院や整体院、またストレッチ店を多く見かけます。そうした施術院の入口には、施術前と施術後の姿勢のビフォー&アフターの変化を示した写真が掲示されていることもあります。
しかし、「猫背を根本的に治す」という観点から考えた場合、残念ながら整体やストレッチなどの施術だけでは猫背を改善することは難しいのが現実です。
施術で歪みを治すだけではなく、運動で脳に姿勢を学習させることが必要
ここで誤解がないようお伝えしたいことは、「整体やストレッチが猫背改善に意味がない」という意味ではありません。整体やストレッチで硬くなった筋肉を弛めたり、歪んだ関節の位置を整えること自体は無駄なことではありませんし、猫背改善のアプローチとして必要なことです。
しかし、繰り返しにはなりますが、私たちの姿勢は脳からの命令で調節されており、脳が正しい命令を出さないと、良い姿勢をとることはできません。
そして、脳が適切に姿勢を調節するように命令を出すには、体のセンサー(感覚器官)から情報をインプットされる必要があるのです。
運動で体を動かすことで、脳に感覚情報をインプットし、良い姿勢をとれるようになる
この「体のセンサーからの脳へのインプット」を促すのに必要なのは体を動かすこと。つまり運動です。具体的には
・目からの情報:視覚
・関節や筋肉の動きで得られる情報:深部感覚
・頭の動きや体の加速によって得られる情報:前庭感覚
といった感覚情報のインプットが必要です。これらは整体やストレッチだけでは得られない、「運動する」ことで得られる感覚の刺激です。
このような体のセンサーが多くの情報を脳にインプットし、脳はそれらの情報を基に筋肉に適正な命令を出す。この相互関係がうまく噛み合わないと、猫背になってしまうのです。
まとめ
今回は「やってはいけない猫背改善」と題して、
・猫背矯正ベルトを装着する
・背中を反らせること
・肩甲骨を寄せて胸を張る
・顎を引く
・整体やストレッチだけで猫背を改善しようとする
の5つをご紹介してきました。
次回はいよいよ「猫背改善トレーニング」についてご紹介していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。