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深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?90%の人が知らない呼吸の真実

皆さんこんにちは。学芸大学駅前のパーソナルトレーニングジムSTUDIO BE FREEトレーナーの吉田です。

当スタジオでは猫背矯正をはじめとした体質改善トレーニングをご提供しています。

慢性的な体の不調の原因の1つは「脳のストレス」。この記事では脳のストレス改善に重要な呼吸についてお話をしていきます。

目次

現代人の9割が正しく呼吸を行えていない!?

 タイトルを見て「そんなバカな!?」と思われた方も多いかもしれません。しかし、実際に当スタジオに初めて来られたお客様の呼吸をチェックさせていただくと、ほとんどの方が正常な呼吸が行えていないのが実情です。

 呼吸は私たちの生命を維持するために不可欠な酸素を体内に取り込む運動。たとえば、ヒトは食べ物がない状況下で10日~3週間ほど、水がない状況下でも3日間は生存できると言われています。

 しかし、呼吸は10分間停止すると死亡率は50%にも上るとされています。それだけに、呼吸がうまく行えていないということは、健康に多大な悪影響を及ぼすと言っても過言ではありません。

体の中で一番酸素を消費するのは脳

 じつは脳体の中で一番酸素を消費する器官です。その量は呼吸で取り込んだ酸素量の約5分の1頭皮の言われています。そのため酸欠状態になると脳の機能は低下し、集中力や記憶力が低下してしまいます。

 そして、実際に多くの方が酸欠とはいかなくとも「脳が酸素不足」脳の状態に陥っていると言われています。

深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?

 「深呼吸のし過ぎは健康に悪い」とお伝えすると、多くのお客様は驚かれます。深呼吸と聞くと多くの方は「新鮮な酸素を体にいっぱい取り込めて健康に良い」というイメージをお持ちではないでしょうか?

 先ほど、「脳が酸欠になると機能が低下する」と述べました。であれば、「より多く酸素を吸い込まなくてはならない」「呼吸が浅くて酸欠気味だから深く息を吸えるようにならなくてはならない」と思われる方は多くいらっしゃいます。

 しかし、そこが落とし穴。なぜなら、実際には「酸素の吸い過ぎが脳の酸欠を招いている」からです。

実は呼吸では酸素よりも二酸化炭素が重要だった!?

 地球温暖化の原因と言われるなど、悪いイメージが持たれがちな二酸化炭素。しかし、実は呼吸においては酸素よりも二酸化炭素の方が重要です。

 なぜなら、私たちが呼吸で酸素を取り込めるのは二酸化炭素があるお陰だから。呼吸で吸った酸素は血液中をヘモグロビンとくっつく形で脳や筋肉などの体の組織に運ばれます。そして、血液中の二酸化炭素によって酸素はヘモグロビンから切り離され、体に供給されるのです。

 このように、二酸化炭素は体に「体に酸素を届けるための橋渡し役」を担っているのです。

酸素を吸い過ぎてしまうと、かえって体は酸素不足に陥る

 呼吸は「酸素を吸って二酸化炭素を吐く」というイメージがあるかと思います。これ自体は間違いないのですが、吐いている二酸化炭素は「余った分を排出している」だけ。血液中の二酸化炭素の量を一定に保つことで、酸素を円滑に脳や筋肉に供給できるようになるわけです。

 しかし深呼吸のように「大きい呼吸」をし過ぎてしまうと、二酸化炭素を過剰に吐き過ぎる形になってしまいます。結果、「体が二酸化炭素不足」に陥り、かえって酸素は脳や筋肉に取り込みにくくなり、体は酸素不足に陥ってしまうのです。

呼吸をコントロールしている脳の呼吸中枢

 私たちは血液中の二酸化炭素量を脳の延髄という箇所にある「呼吸中枢」でモニタリングし、呼吸のリズムや速さ、深さを決めています。

 たとえば、スポーツなどの強度が高い運動を行うと筋肉に負荷がかかり、血液中の二酸化炭素が増え、同時に体はより多くの酸素を必要とします。すると呼吸中枢が「いつもより多く息を吸って!」と体に信号を出します。きつい運動をすると呼吸が荒く、大きく、速くなるのはこのためですね。

 そして血液中の二酸化炭素が安定してくると、呼吸中枢は「呼吸を鎮めて」と指令を出し、
呼吸は徐々に落ち着き、静かでゆっくりとした小さな呼吸になります。

現代人は呼吸が乱れて二酸化炭素不足になっている

「でも私はいつも深呼吸をしているわけではないよ?」と疑問に思われる方も多いかと思います。しかし深呼吸とはいかないまでも、現代人の「多く吸って吐き過ぎる」乱れた呼吸になっています。

 現代ではストレス漬けの生活や不規則な食生活によって、自律神経系が乱れ、「体を活動モードに切り替え、呼吸を速く大きくする」交感神経が優位な状態がONになりっぱなし。結果、呼吸を必要以上に多く行い、血中の二酸化炭素は減少してしまうのです。

二酸化炭素不足が24時間続くと、呼吸は荒くなってしまう

 上記のように自律神経系が乱れて呼吸が荒い状態が24時間続くと、先述した脳の呼吸中枢がバグを起してしまいます。具体的には「速くて荒い呼吸が通常運転」になってしまい、「浅く速い呼吸」が常態化してしまい、

・少し体を動かしただけで息切れしてしまう

・ストレスを感じると息苦しくなる

などの他、血液中の二酸化炭素が不足し酸素が脳や体に取り込みにくくなり、

・慢性的に疲れている

・体がおもだるい

・ストレスを感じやすく、イライラすることで多い

・肩こり、腰痛

・集中力や記憶力が低下する

・頭痛


といった様々な悪影響を引き起こします。

呼吸のし過ぎかどうかのチェック「コントロール・ポーズテスト」

 ここで、「呼吸のし過ぎかどうか」をチェックする「コントロール・ポーズテスト」テストをご紹介します。簡単に行えますので、ぜひやってみましょう。

チェック方法

① ストップウォッチを用意して姿勢を正して楽に座る。

② 軽く鼻から息を吸って、小さく溜め息をつくように軽く鼻から息を吐きます。

③ 息を吐いたら片手で鼻をつまみ、息を止めたらストップウォッチをスタートします。

④ 息を吸いたくなるまでの時間を計測します。

⑤ これを3回行い、タイムの平均を出します。

※息が止められる時間を競うのではなく、一切我慢せずに楽に息を止めていられる時間を計測するテストです。少しでも「吸いたい」と感じたら、そこでストップウォッチを止めましょう。

首や肩、お腹に力が入る、息苦しいと感じる、または計測後に「プハー」と息を吸いたくなる場合は、息を吸いたくなる時間を過ぎている=我慢してしまっているサインです。多少余裕があっても「息を吸いたい」と感じたところでストップウォッチを止めましょう。

※テスト中、気分が悪く感じた場合はすぐに中断しましょう。

チェック基準

 3回の平均タイムと照らし合わせ、現在のご自身の呼吸の状態を確認してみましょう。

・40秒以上:理想的な呼吸の量です。脳や体に酸素が適切に行き渡り、ストレスなく生活できていると考えられます。

・30秒以上:概ね良い状態ですが、まだ伸び代ありです。

・20~29秒:運動に問題はないですが、まだ呼吸が荒く、毎日の呼吸トレーニングが推奨されます。ストレスがかかり続けると不調を感じることも考えられます。

・19秒以下:呼吸に大いに問題あり。激しい運動は避け、まずは呼吸トレーニングから始めましょう。体がストレスを受けやすく、疲れが取れないなどの不調が出やすい状態です。

解説

 これは、楽に息を止めていられる時間を測ることで「二酸化炭素が血液中に溜まっていくことに体が慣れているか」をチェックするテストです。これにより、

・脳の呼吸中枢が正常に働いているかどうか

・普段の呼吸の量が適切で、脳や体が酸素不足に陥っていないかどうか

がわかります。

 理想的な呼吸量であれば40秒です。10秒未満の方は

・アレルギー
・鼻づまり
・冷え性
・慢性的な疲労や体のだるさ
・頭痛

といった不調が出やすい可能性があります。

呼吸量を適正にするエクササイズ:呼吸リセット

 ここまで

・呼吸の量が多過ぎると、酸素を脳や体の組織に行き渡らせるのに必要な血液中二酸化炭素が不足し、体が酸欠状態になる。

・ストレスが多い現代社会では自律神経系が乱れて呼吸が常に荒くなっている人が増えている。

・その結果、酸素が脳や体に正常にスムーズに行き渡らず、慢性的な疲労、だるさ、ストレス、肩こり・腰痛、ストレスなど様々な体調不良を引き起こす

とご紹介してきました。

 こうした事態を改善するため、最後に「呼吸の量を適切にし、呼吸中枢のバグを改善するエクササイズ」である呼吸リセットをご紹介します。

エクササイズ手順

① 仰向けになり、両膝を立てて腰幅ていどに開きます。背中はぴったりと床につけておきましょう。

② 片手をお腹の上、もう片方の手は胸の上に置きます。

③ 口をしっかりと閉じ、上顎に舌をつけておきましょう。

④ 鼻から5秒間息を吸います。この時、お腹に当てた手を天井に向けて押し返すように腹式呼吸で吸いましょう。


⑤ 鼻から5秒息を吐きます。

⑥ この「鼻から5秒吸って、鼻から5秒息を吐く」呼吸を徐々に息を小さくしながら繰り返し行いましょう。

※1回1回、「吸う空気の量と吐く空気の量を少なくする」イメージ。

⑦ 呼吸をを小さくしていき、これ以上小さくできないところまで息を小さくしたら、あとはその小さくした呼吸のまま「5秒吸って5秒吐く」を5分間続けましょう。

⑧ 5分間呼吸を終えたら、急に口は開けずに3~4回楽に自然な鼻呼吸を行い、ゆっくりと起き上がりましょう。

エクササイズの注意点

・呼吸は腹式呼吸で行いましょう。息を吸った時に胸に当てた手が顎の方向に向かって持ち上がる(胸式呼吸)ことがないように気をつけましょう。

・呼吸中は口は閉じたまま、舌は上顎につけたままにしておきましょう。こうすることで気道が確保され、呼吸が行いやすくなります。

・1回1回徐々に呼吸を小さくしていきますが、「5秒吸って5秒吐く」呼吸の速さは一定に保ち、呼吸が速くならないようにしましょう。

・呼吸を小さくした後、途中で息苦しくなったら、一旦呼吸を大きくして、そこからまた徐々に呼吸を小さくしていきましょう。その際も口は閉じたまま、「5秒吸って5秒吐く」呼吸の速さは変えないように気をつけましょう。

補足

 このエクササイズは静かでゆっくりとしたした呼吸を行うことで、血液中の酸素と二酸化炭素の量を適正にし、脳の呼吸中枢のバグを改善すます。

 呼吸中枢が正常に機能するようになれば、呼吸の量は正常になり、酸素が脳と体の細胞に円滑に行き渡るようになります。脳と体のストレスは軽減し、疲労回復を促す効果も期待できます。

 就寝前に行っていただくと、体を副交感神経優位な「休息モード」に切り替えやすくなりますので、睡眠が浅い方にもオススメです。また、座った姿勢でも行えますので、お昼休みなどに実施していただくと、日中のストレス軽減の効果も期待できます。

まとめ

 今回は、

・呼吸のし過ぎが脳や体に与える悪影響

・呼吸のし過ぎかどうかのチェック方法『コントロール・ポーズテスト』

・呼吸の量を適正にするエクササイズ『呼吸リセット』

をご紹介してきました。

「脳と体のつながり」を適正にし、健康な体をつくるためには呼吸を見直すこがとても大切です。

 次回は脳を活性化させるために必要な要素の2つめ、「感覚の刺激」についてご紹介していきます。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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