正しい猫背改善ステップ2 呼吸改善エクササイズ
皆さんこんにちは。学芸大学駅前のパーソナルトレーニングジムSTUDIO BE FREEトレーナーの吉田です。
今回は猫背の原因となる呼吸の乱れを整える「呼吸改善エクササイズ」をご紹介します。猫背を改善したい方必見の記事となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
- ○ 猫背と呼吸の関係
- ・横隔膜が下に動くことで肺に空気が入る
- ・反り腰猫背では横隔膜が動かない
- ○ 横隔膜が動かないと首や肩の筋肉で呼吸をするようになる
- ・首や肩の筋肉で呼吸をしていると、猫背や肩こりになる
- ○ 肋骨や背骨の歪みを整え、横隔膜が正常に動くようにする
- ○ カールアップ
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ○ ヒップリフトアーティキュレーション
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ○ アルマジロブリージング
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ○ キャットバック・ホールド
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ○ ウォールリーチ
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ○ セラタス・スクワット
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ○ まとめ
猫背と呼吸の関係
猫背改善に呼吸のエクササイズが必要だと聞くと、「どうして?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?なので、エクササイズをご紹介する前に呼吸の乱れと猫背の関係についてご説明していきます。
呼吸を行う際には肋骨の内側に付着する「横隔膜」という筋肉がメインで働きます。この横隔膜はドームの屋根のような形をしていて、その上に肺があります。
横隔膜が下に動くことで肺に空気が入る
息を吸うと肺が膨らんで空気を取り込むイメージがありますが、実は肺は動くことはできず、横隔膜の動きに合わせて伸び縮みすることで空気の出し入れを行っています。。
具体的には、
① 息を吸うとドーム型の横隔膜は収縮して平らになりつつ下降する。すると肋骨内に肺内のスペースが広がり、肺が拡張して空気を取り込む。
② 息を吐くと下降した横隔膜は元の位置に上昇しながらドーム型に戻る。すると肋骨内のスペースが狭まり、肺から空気が吐き出される。
という仕組みです。
反り腰猫背では横隔膜が動かない
ところが、現代人に多い反り腰猫背の姿勢では、この横隔膜が正常に動かなくなります。その理由は腰が過剰に反ることで肋骨が前方に突き出るためです。すると、肋骨内の横隔膜はイラストのように水平方向に引っ張られるようになり、ドーム型から平らな形状になってしまいます。
先ほど、息を吸う際に横隔膜はドーム型から収縮して平らになり、下降すると述べました。しかし、肋骨が開いて平らになってしまうと、横隔膜はピンと張って平らになったまま、下降することができません。
その結果、息を吸う際に横隔膜が下降せず、肋骨内に肺が拡張するためのスペースが広がらなくなってしまいます。
横隔膜が動かないと首や肩の筋肉で呼吸をするようになる
しかしそうは言っても、呼吸ができなければ私たちは生きていけません。そこで横隔膜が動かない代わりに、僧帽筋や胸鎖乳突筋といった首や肩の筋肉を使って呼吸をするようになるのです。
具体的には肋骨を上に持ち上げることで肋骨内に肺が広がるスペースを作り、空気を取り入れる呼吸です。
首や肩の筋肉で呼吸をしていると、猫背や肩こりになる
このような呼吸を続けていると、次第に首の筋肉の緊張が強くなり、頭が前に突き出るような姿勢に変化してきます。すると、5kgとも言われる頭の重みで背中が丸み、肩も前に出て(巻き肩)、猫背になってしまうのです。
また、首や肩で呼吸をする癖があると、慢性的に首、肩周りの筋肉が緊張します。これが首こり、肩こりの原因にもなってしまうのです。
肋骨や背骨の歪みを整え、横隔膜が正常に動くようにする
呼吸時に横隔膜が正常に動くようにするためには、背骨や肋骨の歪みを整え、横隔膜が動きやすいポジション、つまり横隔膜のドーム型になる位置に戻して上げる必要があります。
そこで、前回ご紹介した背中や胸の筋肉のストレッチエクササイズを実施した上で、以下でご紹介する背骨と肋骨の位置を整えるエクササイズを行っていきます。
カールアップ
① 仰向けになり、両膝を90度に曲げ脚を床から浮かせます。踵は椅子などの台の上に乗せ、両膝は腰幅ていどに開きます。
膝の間にはボールや丸めたクッションなどを挟んでおきましょう。両手は天井に向けて真っ直ぐ伸ばしておきます。
② ①の姿勢のまま口から細く息を吐き、下腹部、脇腹を引き締めます。
③ 息を吐ききったら、背中に空気を入れるイメージで鼻からゆっくりと息を吸います。
④ 口から息を吐きながら、上半身を起こしていきます。肩甲骨が床から浮く位置まで起こしましょう。
⑤ 上半身を起こしたままゆっくり2呼吸行います。
⑥ 2呼吸終わったら、ゆっくりと上半身を下ろしていきます。
⑦ 2呼吸を1セットとし、2セットを目安に行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・息を吐くときは唇をすぼめ、細く長く吐きましょう。
・上半身を起こしたら、下腹部と脇腹を引き締めたまま、肋骨を内側に閉じた状態を維持しましょう。
ヒップリフトアーティキュレーション
① 仰向けになり、両膝を90度に曲げ、椅子などの台の上に足をのせます。
② 両足の幅は腰幅ていどにし、つま先を天井に向け、かかとが台につくようにします。膝の間にはボールや丸めたクッションなどを挟んでおきましょう。
③ 両腕は横に広げるように置き、手のひらは上に向けておきましょう。
④ 口から細く息を吐きながら、下腹部、脇腹を引き締めましょう。
⑤ 背中に空気を入れるイメージで鼻から息を吸います。
⑥ 口から細く息を吐きながら、かかとで台を押し、骨盤から順番に背骨を1本ずつ持ち上げるように背中を床から浮かせていきます。
⑦ 背中の真ん中あたりまで持ち上げたら、そこで止め、鼻からゆっくり息を吸います。
⑧ 口から細く息を吐きながら、上から背骨を1本ずつ床につけていくように、ゆっくりと背中を下ろしていきます。
⑨ ⑥~⑧の動作を1回とし、4回2セットを目安に行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・エクササイズ中は下腹部、脇腹を引き締め、肋骨を内側に閉じておきましょう。
・床からお尻を浮かせる際には、骨盤を床方向に丸める(後傾)ようにしましょう。
・背中を床から浮かせたところで息を吸う際にも、下腹部と脇腹は引き締め、肋骨を内側に閉じたままにしておきましょう。
アルマジロブリージング
① 正座の姿勢から上半身を前に倒し、両肘を肩の真下に置きます。
② 肘で床を軽く押し、背中を丸めます。このとき、口はしっかりと閉じておきましょう。
③ この姿勢のまま「背中に空気を入れるイメージ」で鼻から5秒息を吸い、鼻から10秒かけてゆっくりと息を吐いていきます。
④ このまま「鼻から5秒吸って10秒吐く」呼吸を4回行いましょう。2セットを2目安に行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・静かで小さな呼吸を意識して行いましょう。「息の音が自分に聞こえない」くらいの静かな呼吸が理想的です。
・息を吸った時に丸めた背中が伸びないように注意しましょう。背中は丸めたまま、「肋骨の後ろ側に空気を入れる」イメージで息を吸いましょう。
・息を吐くときは口で吐かず、鼻から吐くように行いましょう。
・途中で具合が悪く感じた場合は無理せずすぐにエクササイズを中断しましょう。
キャットバック・ホールド
① 四つん這いの姿勢になります。両手首は肩の真下、両膝は腰の真下の位置になるようにします。
② 鼻から息を吐きながら背中を丸めていきます。このとき、肋骨の内側に閉じ、骨盤を後傾(後ろに丸める)するようにしましょう。
③ 背中を丸めた姿勢をキープしたまま、鼻から5秒息を吸います。
④ つづいて鼻から10秒息を吐きます。
⑤ このまま「鼻から5秒吸って10秒吐く」呼吸を4回行いましょう。
⑥ 4呼吸行ったら、元の姿勢に戻ります。4呼吸を1セットとし、2セットを目安に行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・背中を丸めるときは、「脇腹と下腹部を引き締め、肋骨を内側に閉じる」イメージで行いましょう。おへそと背中をくっつける意識で行うのもオススメです。
・息を吸った時に、丸めた背中が伸びないよう、丸めた姿勢を維持しましょう。お腹は引き締めたまま、背中に空気を入れるイメージで呼吸を行いましょう。
・途中で具合が悪く感じた場合は無理せずすぐにエクササイズを中断しましょう。
ウォールリーチ
① 壁の前に立ちます。両足は拳1個ぶんくらいの間隔を開けて立ち、両膝の間にはボールや丸めたクッションなどを挟んでおきましょう。
② 背中を壁につけ、壁からかかとまでの距離が足一足ぶんくらいの位置に立ちます。後頭部からお尻まで壁にしっかりとついていることを確認しましょう。
③ 両膝がつま先の真上の位置にくるまでお尻を床に向かって下ろします。両腕は肩の高さで前に上げます。
④ この姿勢のまま鼻から息を吸って、口から細く吐きながら、脇腹と下腹部を引き締めましょう。
⑤ つづいて、「背中に空気を入れるイメージ」で鼻から息を吸い、
⑥ 口から細く吐きながら「背中の上半分を壁から離すイメージ」で背中を丸めていきます。
⑦ 腰が壁から離れない位置まで丸めたら、そこで止めます。
⑧ ⑦の姿勢をキープしたまま「背中に空気を入れるイメージ」で鼻からゆっくりと息を吸い、口から細く息を吐きます。
⑨ このまま4回呼吸を繰り返し行いましょう。
⑩ 4呼吸終わったら、最初の姿勢に戻ります。4呼吸を1セットとし、2セットを目安に行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・エクササイズ中はお腹を引き締めたまま、腰が壁から離れないように注意しましょう。
・足の裏はかかと7割、つま先3割くらいでかかとに体重を多めにかけておきます(ただし、つま先は床から浮かないようにしましょう)。
・肩が上がりすぎないよう、肩甲骨は腰に向けて下ろしておきましょう。
セラタス・スクワット
① 壁に向かって立ちます。立つ位置は両足のつま先が壁から10cmほど離れた位置で立ちます。
つま先は壁に真っ直ぐに向け、両足は拳1個ぶんくらいの間隔を開けます。両膝の間にはボールや丸めたクッションなどを挟んでおきましょう。
② 両肘を90度に曲げ、腕全体を壁につけます。このとき肘はやや内側の位置につけ、脇を締めておきましょう。
③ 肘の位置が動かない程度に軽く膝を曲げ、お尻を床に向かって下ろします。
④ この姿勢のままを口から細く息を吐き、背中を丸めていきましょう。肘で壁を押すように行うとGoodです。
「胸を背中に向けて引き、腰を丸める」意識で行いましょう。また、頭の位置は骨盤の真上の位置に保持しましょう。
⑤ この姿勢をキープしたまま、「背中に空気を入れるイメージ」で鼻から息を吸い、口から細く吐きましょう。
⑥ 4呼吸行ったら、最初の姿勢に戻ります。4呼吸を1セットとし、2セットを目安に行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・エクササイズ中は頭の位置を骨盤の真上に保持し、前に突き出ないように注意しましょう。
・脇腹と下腹部を引き締め、背中が反らないように気をつけましょう。
・足裏の体重はかかとに多めにかけておきましょう。
まとめ
今回は「呼吸のエクササイズ」と題して、
・カールアップ
・ヒップリフト・アーティキュレーション
・アルマジロブリージング
・キャットバックホールド
・ウォール・リーチ
・セラタス・スクワット
の4つのエクササイズをご紹介してきました。
次回は「正しい猫背改善の3ステップ」の3つめとなる「脳を活性化する全身を動かすエクササイズ」をご紹介します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。