正しい猫背改善ステップ3 脳を活性化する感覚トレーニング
皆さんこんにちは。学芸大学駅前のパーソナルトレーニングジムSTUDIO BE FREEトレーナーの吉田です。
今回は猫背改善に効果的な「脳を活性化する感覚トレーニング」をご紹介します。猫背を矯正したい方必見の記事となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
- ○ なぜ、体を動かすことが猫背改善に必要なのか?
- ・姿勢を調節する脳の「身体図式」
- ・体を動かして得られる「感覚の刺激」が身体図式の精度を高める
- ○ ポイントは「傾き」と「回転」
- ○ ローリング
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ・応用編
- ○ ローオブリークツイスト
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ・応用編
- ○ ローオブリーク・ライク・ア・ボール
- ・エクササイズのポイントと注意点
- ○ まとめ
なぜ、体を動かすことが猫背改善に必要なのか?
エクササイズをご紹介していく前に、そもそも「なぜ、体を動かすことが猫背改善に必要なのか」について少し解説していきたいと思います。
姿勢を調節する脳の「身体図式」
私たちの脳の中には「身体図式(ボディスキーマとも)」と呼ばれる「体の状態を把握する機能」が備わっています。これは私たちが日常生活の中で、意識していないレベルで身体がどうなっているか、自分の体に対するイメージのような機能です。
例えば、通勤ラッシュ雑踏の中で人にぶつからずにスムーズに進むことができるのは、身体図式によって、
・自分の体の大きさ
・どのくらいの速さで動いているのか
・前を歩く人やすれ違う人との距離感
などを「身体図式」に基づいて脳が無意識かつ瞬時に判断しているからです。
そして「姿勢」もこの身体図式に基き、現在自分のいる場所や状況に合わせて、最適な姿勢を無意識にとっているのです。つまり、正しい姿勢や体の動作を遂行するには、この「身体図式」の精度が高い状態であることが必要なのです。
体を動かして得られる「感覚の刺激」が身体図式の精度を高める
そして、この身体図式の精度を常に維持していくのに必要なものが、体を動かすことによって得られる「感覚」です。
私達の脳は常に体の各部位にあるセンサー(感覚器官)から送られてくる多くの情報を基に、無意識に自分達の身体が現在どうなっているのかを理解しています。
私たちの体には目、鼻、口の他、筋肉や関節、皮膚、耳の奥の三半規管などセンサー(感覚器官)が多数存在しています。そうしたセンサーは身体を動かすことで盛んに働き、そこから「感覚刺激」がインプットされることで脳は発達し、「身体図式」が常にアップデートされているのです。
そのため、全身をよく動かしてセンサーを刺激し、脳に最新の情報を送ることで身体図式の正確性を高め、正しい姿勢は身につくというわけです。
ポイントは「傾き」と「回転」
では具体的に猫背を改善するにはどのような運動が有効なのか?というと「(体を斜めに)傾ける」「回転させる」「加速させる」といった動きを取り入れたエクササイズがおすすめです。
こうした動きは、耳の奥にある三半規管や耳石といった「前庭感覚」を感じるセンサーを刺激するのですが、日常生活の動作の中では行うことが少ない動作でもあります。
そこで、ここでは「傾き」「回転」「加速」の要素を取り入れたエクササイズをご紹介していきます。
ローリング
① 仰向けになり、両腕をバンザイの位置まで上げます。
② 右手を天井に向けて上げます。
③ 右腕を左側の床に向けて伸ばしていき、頭➡️肩➡️胸➡️お腹➡️お尻➡️足の順番で床から浮かせるように左側へ転がり、うつ伏せになります。
④ つづいてうつ伏せの姿勢から右腕を床から浮かせ、頭➡️肩➡️胸➡️お腹➡️お尻➡️足の順番で床から浮かせるように右側へ転がり、仰向けに戻ります。
⑤ ③~④の動作を1回とし、5回繰り返し行いましょう。5回終えたら、反対方向にも同様に5回行います。
左右それぞれ5回ずつを1セットとし、2セットずつ行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・体を転がすときは「自分の体がシールになった」イメージで行うと良いでしょう。「床に貼ったシールを端からきれいにはがす」イメージで、腕から肩、胸、お腹、お尻、足へと順番に床から離すように行いましょう。
・勢いをつけて強引に転がったり、足で床を押すようにして転がるのはNGです。
・背骨を上から順に1本ずつ動かすような意識で行っていただくと、スムーズに転がりやすくなります。
・首や肩などに痛みが出そうに感じたり、めまいを感じた場合などは無理に行おうとせず、すぐにエクササイズを中止しましょう。
応用編
体が硬く、腕から動かして転がるのが難しい方は、足から順に動かす形で行ってみましょう。
① 右足を床から浮かせ、左側の床へ向けて伸ばすようにして、足➡️お尻➡️お腹➡️胸➡️肩➡️頭の順に床から浮かせるように動かしていき、うつ伏せになります。
② うつ伏せになったら、今度は右足を床から浮かせ、左斜め方向に向けて伸ばしながら足➡️お尻➡️お腹➡️胸➡️肩が➡️頭の順に床から浮かせるように動かしていき、仰向けに戻ります。
③ 5回繰り返し行ったら、反対方向にも5回行いましょう。左右5回ずつを1セットとし2セットを目安に行いましょう。
ローオブリークツイスト
① 左側を下にして横向きになり、左肘を90度に曲げて左肩の真下の位置に置きます。つづいて左脚は前、右脚は後ろ脚の位置にし、両膝は90度に曲げておきます。
② 左肘で床を押しながら左の脇腹を床から引き上げます(左の肋骨を閉じるイメージ)。つづいて下腹部を引き締め、骨盤を後ろに丸めます(お腹を引き締め、腰を軽く丸めるイメージ)。
③ この姿勢のまま、右手を天井に向けて真っ直ぐに伸ばし、目線は右手の指先に向けます。
④ 鼻からゆっくりと息を吸い、口から細く息を吐きながら、胸を左へひねり、右手を左脇の下へ通します。
⑤ つづいて鼻から息を吸いながら元の位置に戻ります。
⑥ ④~⑤の動作を5回繰り返し行ったら、反対側も同様に行いましょう。
左右5回ずつを1セットとし、2セットを目安に行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・動作中は常に左の脇腹は床から引き上げておきましょう。
・腰が反らないよう下腹部を引き締め、骨盤を後ろに丸めた状態も維持しておきましょう。
・動作中、目線は右手の指先を追っていきましょう。
応用編
慣れてきたら、先ほどの2倍くらいの速さでエクササイズを行います。すばやい動きで行うことで、三半規管や耳石といった平衡感覚を感じる器官をより強く刺激することができます。
ローオブリーク・ライク・ア・ボール
① 体育座りの姿勢になり、太ももの裏を両手で軽く抱えます。このとき、両足の内側はぴったりとつけ、つま先を上げておきましょう。
② 口から細く息を吐きながら、下腹部、脇腹を内側に引き締めて背中を丸めましょう。
③ その姿勢のまま、かかとを床から浮かせます。
④ 背中を丸めたまま、後ろに転がり、元の位置に戻ってきます。
後ろに転がって戻った時に、かかとは床から浮かせたまま。
⑤ 再び後ろに転がり、戻ってきます。なるべく勢いはつけず、背中の丸みで転がるように行いましょう。
⑥ この動作を5回繰り返し行います。5回を1セットとし、2セットを目安に行いましょう。
エクササイズのポイントと注意点
・エクササイズ中は呼吸を止めないように注意しましょう。
・硬い床の上で行うと背中が痛くなるので、ヨガマットや柔らかい絨毯などの上で行いましょう。
・エクササイズ中に気分が悪くなったり、めまいを感じた場合は無理はせずに中止しましょう。
まとめ
今回は「脳を活性化する感覚トレーニング」と題して、
・ローリング
・ローオブリークツイスト
・ローリング・ライク・ア・ボール
をご紹介してきました。
ここまでは「運動」の側面から猫背改善についてご紹介してきましたが、次回は日常生活の中で行える猫背の予防・改善のポイントについてご紹介していきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。